監視、防犯カメラに使える「ネットワークカメラ」とは? Webカメラとの違いも解説!

こんにちは、PC周辺機器メーカー直販サイト「アイオープラザ」店員、NAS(ナス)の「なっさん」です!
今回は「ネットワークカメラ」についてお話しします。

と、言いつつ最初から明け透けに申し上げると……

「ネットワークカメラが欲しい!」

直接的に思う方は、正直あまり多くないでしょう。
ネットワークカメラを必要とする方は、

「監視カメラが欲しい」
「防犯カメラを探してるんだけど……」
「見守りカメラの設置を検討しています」
「観光地にライブカメラを置きたい」
「特定場所の状態監視を行うため、定点観測カメラが必要」

といった、具体的な用途が頭に浮かんでいるはずです。
ただし今挙げた、

  • 監視カメラ
  • 防犯カメラ
  • 見守りカメラ
  • ライブカメラ
  • 定点観測カメラ

というのは、誤解を恐れずに言えば全て「ネットワークカメラ」の別名と言っても嘘にはなりません。
ですから、上に挙げたような各用途のカメラをお探しの方が、ネットワークカメラについての理解を深めることには大きな意義があると考えます。

というわけで本記事ではまず、

「ネットワークカメラってなに?」
「デジタルカメラ、Webカメラとの違いは?」

といった根本的な疑問にお答えします。
具体的な用途が頭にある方はもちろん、そのものズバリ「ネットワークカメラ」について知りたい方も、ぜひ最後までご覧ください!

※本記事は主に法人向けの内容です。

ネットワークカメラとは?

はじめに「ネットワークカメラとはなにか?」という話をさせてください。
ごくシンプルにお答えすると、その名のとおり

  • ネットワークに接続して使うカメラ

ですが、わざわざ名前に”ネットワーク”を冠するということは、世の中に

  • ネットワークに接続しないで使うカメラ

があり、そちらが普通ということです。
具体的にはなにか? と考えると、一例として

  • デジタルカメラ
  • Webカメラ

のふたつが挙げられます。ちなみにスマートフォンに搭載されるカメラも、デジタルカメラのひとつと考えて良いでしょう。
一例として、それぞれ以下のような見た目をしています。

まずはこの「デジタルカメラ」「Webカメラ」との違いをお話しすることで、「ネットワークカメラとはなにか?」という疑問の答えを浮き彫りにします。

デジタルカメラ、Webカメラとネットワークカメラの違い①目的

今さら「デジタルカメラってなに?」と思う方はいないかもしれませんが、敢えて言えば

  • 写真や動画を撮影するための機器

ということになります。

これは静止画撮影がメインの「デジタルスチルカメラ」でも、動画撮影がメインの「デジタルビデオカメラ」でも変わりません。もっと言えば、「デジタル」になる前の「アナログカメラ」だって同じでしょう。

というか、この点についてはさらに広い範囲……「カメラ」と名の付くものには全て適用できると言っても過言ではありません。
Webカメラもネットワークカメラも、広義では「写真や動画を撮影するための機器」だからです。

「え、じゃあ違いはなんなの?」

と思われたかもしれませんが、端的に言えば、

  • 目的

が違います。
具体的に言うと、

  • デジタルカメラ
  • Webカメラ
  • ネットワークカメラ

の「目的」は、それぞれ以下のように表現できます。

  • デジタルカメラ⇒思い出や資料、作品として記録/シェアする
  • Webカメラ⇒オンライン会議などの際、リアルタイムに映像を配信する
  • ネットワークカメラ⇒定点設置し、離れた場所から映像を参照する

そして、これらの目的の違いが用途の違いとなり、機器の仕様が決まるのです。

デジタルカメラ、Webカメラとネットワークカメラの違い②仕様

ここまでの内容を踏まえ、3つのカメラの目的、用途、仕様などを簡単に整理したものが以下の表です。

デジタルカメラWebカメラネットワークカメラ
目的思い出や資料、作品の記録/シェアリアルタイムな映像配信離れた場所から映像を参照
用途日常や旅のお供、情報の伝達、写真/映像作品の創作オンライン会議、動画配信監視、防犯、見守り、ライブ配信、定点観測
機器の仕様として求められることの例高画質化、表現力、小型化、スマートフォンへの組込、使い勝手など顔を映せる位置への設置、PC等への組込、画質とデータ容量のバランスなど設置の自由度、視野角の広さ、暗所撮影、複数台の管理/制御など
主な使い方手に持って使う(持ち歩く)PCと同じ場所に設置する映像を参照したい場所に設置する
主に映す対象多種多様人物場所
<デジタルカメラ/Webカメラ/ネットワークカメラの目的・用途比較>

細かい違いはさておき、「まるで違う」ということがお分かりいただけるのではないでしょうか?

1点強調すると、ここでご注目いただきたいのは「主な使い方」と「主に映す対象」です。

デジタルカメラは撮影者が「手に持って使う」機器であり、言うまでもなく「使い手が映したいものに向けてシャッターを切る」というのが普通の使い方です。
必然的に、撮影対象は多種多様、千差万別となります。

対してWebカメラの場合、昨今最も多いのは「ノートPCのモニター上部に組み込む」設置方法だと思われます。そうではない場合も「PCと同じ場所に設置する」のが一般的であり、主に映すのはPCの前にいる人物です(ちなみにこの意味では、スマートフォンのカメラは「Webカメラとしても」使われます)。

ネットワークカメラの場合は「映像を参照したい場所に設置する」、つまり主に映す対象は「場所」です。だからこそあらゆる場所に設置できることが重要で、形状も機能もそういった観点から検討されます。
さらに「映像を参照したい場所」は複数あっておかしくないため、複数台の機器を管理/制御する機能が必要になるのも、ネットワークカメラの特徴と言えるでしょう。

これらの違いが、上に挙げた3つの機器の”見た目”の違いにも反映されているというわけです。

結局のところ、ネットワークカメラとはなにか?

ここまでの内容を背景に、

「ネットワークカメラとはなにか?」

という疑問に改めて向き合うと、

  • 特定の場所に設置することで、離れた場所から映像を参照できるカメラ

と答えることができます。

これを実現するために「ネットワークに接続する」という機能を搭載しているわけですが、こう書くと、

「ネットワークって難しい!」

と敬遠したくなる方もいるかもしれませんので、続けて「ネットワークカメラを使う際の機器構成」を簡単にご紹介したいと思います。

ネットワークカメラを使う際の機器構成

世の中には「ネットワークは難しい」と感じる方が一定数いらっしゃいます。
そして本音を言えば、

「まあ、正直難しいです」

という感じなのですが、ページを閉じるのはちょっとだけ待ってください。
私はPC周辺機器メーカー直販サイトの店員で、エンジニアではありませんから、はっきり言えば私自身が「ネットワークは難しい」と思っています。

ただしそれは、敢えて大袈裟に言えば

「生きるって難しい」

というのと同じ話です。
「生きる」を極めるとなればとてつもない話ですが、私は今日も生きています。

ネットワークもこれと同じ……要するに「自分が解る範疇に関しては、必ずしも難しくない」ということです。
少なくとも「ネットワークカメラを設置して使う」だけなら、技術的な専門知識はほぼ要りませんので、とてつもなく難易度の高いことではありません。

というわけで、前置きが長くなり恐縮ですが「ネットワークカメラを使う際の機器構成」を図示します。

これはあくまで基本の形ですが、まず設置場所において、ネットワークカメラ自体は

  • 有線LAN
  • Wi-Fi(無線LAN)

のいずれかで接続します。

有線LANの場合は「ハブ(スイッチングハブなど)」、Wi-Fiの場合は「アクセスポイント」が直接的な接続先になるでしょう。
ハブやアクセスポイントは最終的に「ルーター」へ接続し、そこからインターネットにつながります。

「ハブとかアクセスポイント、って言われてもよく解らない!」

という方は、ともあれ設置場所に「光回線」などのインターネット回線があればよい、くらいのご認識でも良いと思います。
ちなみに数台程度のネットワークカメラを、家庭向けの「Wi-Fiルーター」に接続する際には、ハブやアクセスポイントは不要です(Wi-Fiルーターは「ハブ」「アクセスポイント」「ルーター」が一体となった製品です)。

いずれにせよ、ネットワークカメラをインターネットに接続しさえすれば、あとは設置場所以外でも、インターネットにつながったPCやスマートフォンから、ネットワークカメラの映像を参照できるというわけです。

もちろん初めて使う場合の設定は必要ですが、具体的な手順は各商品のマニュアルに譲るとして……要するにここではネットワークカメラが、

  • PCやスマートフォンと同格の機器

だということが、なんとなくお解りいただけると嬉しいです。
そう捉えると、機器の構成としては比較的シンプルに感じられないでしょうか?

まとめ

というわけで今回は、

  • ネットワークカメラとはなにか?
  • デジタルカメラ、Webカメラとの違い
  • ネットワークカメラを使う際の機器構成

についてお話ししました。

まずネットワークカメラとは

  • 特定の場所に設置することで、離れた場所から映像を参照できるカメラ

で、だからこそネットワークに接続する機能を有しています。

「持ち歩いて使う」デジタルカメラや、「PCに組み込まれることが多い」Webカメラとは以下のように「目的」が異なり、その違いが形状をはじめとした仕様の違いを生み出しています。

<各カメラの主な目的>

  • デジタルカメラ⇒思い出や資料、作品として記録/シェアする
  • Webカメラ⇒オンライン会議などの際、リアルタイムに映像を配信する
  • ネットワークカメラ⇒定点設置し、離れた場所から映像を参照する

また、「ネットワークにつなぐ」と言うと「ネットワークって難しいんでしょ?」と敬遠されがちですが、ネットワークカメラはいわば「PC」や「スマートフォン」と同格の機器です。

設置する場所からハブやアクセスポイントを通じ、ルーター経由でインターネットに接続することで、離れた場所からでもPCやスマートフォン経由でカメラの映像を参照することができます。

次回からはこれらの話を下地に、

「ネットワークカメラがどういうものかは解ったけど、じゃあ具体的にどういうことができるの?」

という疑問にお答えすべく、

  • ネットワークカメラにできること

についてお話しいたします。
ぜひ引き続きご一読いただけると嬉しいです!

その他、「ネットワークカメラについての全般的なご相談」も広く受け付けております。
ここまで触れてきた内容の他、なにか導入の壁となるご懸念がございましたら、ぜひお気軽にお問合せください!

投稿者プロフィール

NAS(ナス)の「なっさん」
NAS(ナス)の「なっさん」
PC周辺機器メーカー アイ・オー・データ機器の直販ECサイト「アイオープラザ」店員。
"難しい"PC周辺を"だいたい本音"で語り、"お客様が技術的な知識を学習せずに選べる店"を目指しています!