こんにちは、PC周辺機器メーカー直販サイト「アイオープラザ」店員、NAS(ナス)の「なっさん」です!
今回は、「メモリ」についてお話しします。
メモリという言葉自体は多くの方が「聞いたことある」状態だと思いますが、それが「一体なんなのか?」は説明できない方も、比較的多いのではないでしょうか?
また、「いや、メモリがなにかは知ってるよ」というひとの中にも、
「今度PCをWindows 11にするんだけど、メモリはどのくらいあればいいの?」
「メモリって後から増やせるんでしょ? でもどうやって?」
「メモリの種類って幾つかあるよね? どうやって選べばいいの?」
といった疑問をお持ちの方がいらっしゃると思います。
そんなあなたへ向け、今回から2回に分けて、
- メモリとはなにか
- メモリの適切な容量
- メモリの増設方法
- メモリの選び方
を徹底解説しちゃいます!
今回も“だいたい本音”でお話ししますので、ぜひ最後までご覧ください!
※本コンテンツは主に法人向けの内容です。
メモリとは?
まずは基本中の基本から。
「メモリってなに?」
と訊かれたら、私はこうお答えします。
「机です」
恐らく「は?」と思われたでしょうから、ご説明させてください。
メモリがないと、作業ができない
メモリというのはPC(やスマートフォン)に必ず搭載される主要部品のひとつです。
その役割から、
- 一次記憶装置
- 主記憶装置
とも呼ばれます。とにかく大事なものなんだな、という感じは伝わるでしょうか。
誤解を恐れずに言うと、あなたが今見ているPCの画面に表示されている内容は、全てメモリに記録されています。
例えば当店のWebサイトを閲覧いただく際には、
- 当店のサーバーにある「ioPLAZAのWebサイトデータ」を、あなたのPCのメモリにダウンロード
- メモリに記録された「ioPLAZAのWebサイトデータ」を、画面上で閲覧
という動作がバックグラウンドで行われています。
他にも、編集中の文書、表計算、プレゼンテーションデータ等については、
- PCのHDD等に保存された文書データを、PCのメモリに展開
- 編集中の変更状態を、リアルタイムにメモリへ保存
という動作になります。
他、例えばWindowsのデスクトップ画面が表示されるのだって、メモリのおかげです。
とにかく、あらゆる「作業中のデータ」はメモリに展開されると思っていただければ、概ね間違いありません。
「もしPCにメモリがなければ、あらゆる作業ができなくなる」
と言っても過言ではないのです。
だから「メモリは机」と言われるのですが……ストレージとの違いも含め、もう少し詳しくお話ししましょう。
メモリは机、じゃあストレージは?
「メモリとはなにか?」
という問いを考える上で、
「ストレージ(HDD、SSD)とはなにか?」
という問いは避けて通れません。
どちらもPCに必須の部品で、かつ「データを保存する機器(記憶領域)」だからです。
先程メモリは、
- 一次記憶装置
- 主記憶装置
とも呼ばれると書きましたが、これに対してストレージは、
- 二次記憶装置
- 補助記憶装置
と呼ばれることがあります。
こう書くと、
「ストレージはメモリほど重要じゃないの?」
と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
少なくとも現代のPCは、ストレージがなければ使い物にならないでしょう。
その違いを端的に言えば、
- メモリ⇒閲覧中、作業中のデータを一時的に保存する
- ストレージ⇒データを恒久的に保存する
という感じです。
例えばアプリ上で「名前を付けて保存」したデータは、HDDやSSDなどのストレージに保存されます。
この役割の違いから、ストレージは「棚」や「倉庫」にたとえられます。
- 「棚(ストレージ)」に保管しておいたファイルを引っ張り出してきて、
- 「机(メモリ)」の上で閲覧したり、編集したりする
- 作業後のファイルは、また「棚(ストレージ)」に保管しておく
といったシーンをイメージいただくと、解りやすいのではないでしょうか?
メモリとストレージの違いは以上ですが、ここまでお話ししたことで新たに、
「どちらも記憶装置なのに、なんでふたつあるの? どっちかじゃだめなの?」
という疑問を抱かれたかもしれません。
もちろん、ふたつあるのには理由があります。
「たくさん」のストレージ、「速く」のメモリ
ストレージを「棚」、メモリを「机」と考えると、必要な特性が異なるのが解ります。
棚に最も求められるのは「たくさん入ること」ですよね?
これは「容量(GB、TB)」にあたります。
では机は?
少し解りづらい言い方になりますが、私たちは
- 作業のしやすさ
だと考えます。
物理的な机の場合は「高さ」「広さ」などのサイズ感が作業のしやすさを決めるかもしれませんが、メモリの場合は第一に、
- 速さ
が作業のしやすさを決めます。
仮に、物理的な「棚」を「机」の代わりに使って作業することを考えてみてください。
例えばA~Eという5つのファイルを開いて、A~Dを参照しながらEを編集したい場合、
- Aを取り出して参照する
- Aをしまう
- Bを取り出して参照する
- Bをしまう
- 以下、CとDも同じ
- Eを取り出して編集する
といったプロセスを経る必要があります。
率直に言って、イラつきますよね?
「ええい、こっちはもっとスピーディーに作業したいんだ!」
という感じでしょう。
これが机なら、A~Eのファイルを一気に持ってきて開き、A~Dを参照しながらEを編集する、という作業が可能です(机の大きさにもよりますが)。
なにが言いたいかというと、机たるメモリは、元々スピーディーな作業を可能にするための記憶装置として作られているということです。
HDDやSSDと比べ、メモリは「めちゃくちゃ速い」DRAM(ディーラム)という半導体で作られています。
具体的な速さは種類や構成によって異なりますが、一例として理論値を挙げると、以下のような形です。
<ストレージとメモリの速度レベル比較>
ストレージ:600MB/s
メモリ:19.2GB/s(約19,661MB/s)
※ストレージ:SATA3.0接続SSD、メモリ:DDR4 SDRAM(2400)
メモリのほうが約33倍速い、ということになります。
“次元の違う速さ”ということが、なんとなくご理解いただけるのではないでしょうか?
「じゃあ、ストレージにもメモリを使えばいいんじゃないの?」
と思ってしまいそうですが、そう上手くはいきません。
メモリに使われるDRAMは「速い」という特性だけでなく、「電源を供給している間だけ、データを保持できる」という特性を持っています。
また、HDDやSSDほど大容量化も実現し難いものです。
- いつの間にか中身が消える棚
- たくさん入らない棚
が使い物にならないことは、言うまでもありません。
ですから、DRAMをストレージとして利用することは現実的に不可能。
ストレージには比較的大容量化に向くHDDやSSD、メモリにはとにかく速いDRAMが使われるというわけです。
ここまで「メモリとはなにか?」という基礎中の基礎をお話ししてきました。
次は、
「じゃあ、メモリの容量ってどのくらいあればいいの?」
という疑問にお答えしたいと思います。
メモリの適切な容量は?
先程メモリを「机」にたとえましたが、メモリの「容量」は「机の広さ」です。
容量が少なければ「一度に広げられるファイルの数が少なくなる」ため、作業がしづらくなります。
せっかく高速なDRAMを使用しているのに、メモリの潜在能力を発揮できなくなってしまうというわけです。
では一般的に、業務で使うPCにはどのくらいの容量のメモリがあればいいのか?
結論から言うと、
- 最低8GB
が適切です。
ひとつひとつの容量が大きいファイルを扱う場合は、それでも不十分でしょう。
例えば画像編集などを行うのであれば倍の16GB、動画編集等をするならさらに倍の32GB(以上)がひとつの目安になります。
なぜか?
本記事では、一般的に広く使われている「Windows OS搭載のPC」を例にします。
最新のOSはWindows 11ですが、その最低要件として
- 4GB以上のメモリ
が挙げられています。
「じゃあ4GBでいいんじゃないの?」
と思うかもしれませんが、最低要件ということは「快適に使える容量ではない」と言っているに等しいです。
これを「OSが4GBのメモリを使用する」と解釈するなら、PC上であなたが各作業を行うための容量を、せめて同じくらい用意すべきです。
ちなみに……今私が使っている業務PCのメモリは8GBですが、メモリ使用量はいつ見ても8~9割を超えています。
複数のWebページを開き、メーラーやチャットツール、Word、Excel、PowerPointファイル、果てはその他の業務ツールまで開いているからですが、画像や動画などの特別重いファイルは開いていません。
メモリの容量が足りなくなると、すぐPCの動作がもたつきます。
本当は16GBあれば、もっと快適に仕事ができるかも? と思うくらいです。
なお、まだWindows 10をお使いの方も多いかもしれませんが、Windows 10の最低要件は、
- 2GB以上のメモリ
です。
既にWindows 10は2025年10月にサポート期限が切れることが告知されており、各法人では今まさにWindows 11への入替やアップデートが行われているところですが……そうなると、メモリの最低要件が上がります。
この機会にPCを買い替えられるならそれが最も手軽かもしれませんが、予算上余裕がない場合もあるでしょう。
そういった方は、
- メモリを増設する
ことでしのぐ方法もあります。
「でも……増設って、どうやるの?」
と思われた方へ向け……続きとして次回、そのお話をさせてください。
まとめ
今回は、
- メモリとはなにか?
- メモリの適切な容量は?
という2点について、お話しさせていただきました。
メモリとは作業をするための「机」で、メモリがなければWebサイトを閲覧したり、文書を編集したり……あらゆる作業ができません。
ただし、アクセスが「速い」代わりに「電源を切ればデータが消える」という特性を持ち、大容量化もしづらいため、データを恒久的に保存する「棚」であるストレージとは、明確に区分されています。
メモリが不足すればPCの作業速度がもたつくという弊害があるため、一定以上の容量を搭載すべきですが……ひとつの目安は「8GB以上」です。
最新OSであるWindows 11の最低要件が「4GB以上」なので、作業を円滑に行うためには、最低限その倍は用意しないと、快適に仕事をすることはできないでしょう。
また画像や動画など、容量の大きなデータを扱う場合は、さらに「16GB」や「32GB」といった容量の搭載をオススメします。
いずれにせよ、容量を後から増やしたい場合には「増設」という方法があります。
こちらについては、次回詳しくお話ししますので、ぜひ引き続きご一読いただけると幸いです!
メモリの増設は難しい? たったひとつのシンプルな選び方とは?New!!
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ここまで触れてきた内容の他、なにか導入の壁となるご懸念がございましたら、ぜひお気軽にお問合せください!
投稿者プロフィール
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PC周辺機器メーカー アイ・オー・データ機器の直販ECサイト「アイオープラザ」店員。
"難しい"PC周辺を"だいたい本音"で語り、"お客様が技術的な知識を学習せずに選べる店"を目指しています!
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