こんにちは、PC周辺機器メーカー直販サイト「アイオープラザ」店員、NAS(ナス)の「なっさん」です!
この記事では、
「いまさらだけど……ストレージってなんなの?」
「ストレージとメモリの違いは?」
といった疑問を持つあなたへ向け、基礎から”易しく”かつ”優しく”ご説明します。
ぜひ最後までご覧ください!
※本コンテンツは主に法人向けの内容です。
「ストレージとは?」にひと言で答えると……
「ストレージ」という言葉を「全く聞いたことがない」というひとは、少ないかもしれません。
「スマホやPCに関連する用語でしょ?」
「HDDとかSSDのことでしょ?」
「容量のことでしょ?」
なんて思った方……「そのとおり」です。ただ、私が
「ストレージとはなにか?」
という疑問にひと言で答えるなら、こうなります。
- データを保存する領域
PCやスマートフォンで使う「動画」「写真などの画像」「音楽」「文書」「アプリ」等……これらは全て「データ」です。
そしてこれらの保存場所……例えば「〇〇GB」「〇〇TB」といった表記で”サイズ(容量)”を表すものを、「ストレージ」と呼びます。
ただし……正確に表現するなら、ひとつだけ注釈を入れさせてください。
こんな風に。
- データを保存する領域 ※ただし”一時的”ではない
「どういうこと?」
という疑問が頭に浮かんだと思いますので、説明いたします。
PCやスマートフォンには、同じく「〇〇GB」「〇〇TB」といった表記で容量を表す、
「データを”一時的に”保存する領域」
が存在します。しかしこれは「ストレージ」に該当しません。
ではなんと呼ぶのか?
「メモリ」
です。
メモリとストレージの違い
「ストレージ」と「メモリ」……どちらも1度は聞いたことのある言葉ではないでしょうか?
ただ、その違いを明確に説明できない方は、珍しくないかもしれません。
PCなどの仕様・スペック一覧を見たことがある方なら、例えばこんな表記を見たことがあると思います。
メモリ容量:8GB
ストレージ容量:512GB
このように、「メモリ」と「ストレージ」は同じ「GB(ギガバイト)」という単位(※)で容量の大きさが示されるものです。
※「TB(テラバイト)」の場合もあるでしょうが、「1TB=1,024GB」です。「cmとmm」「kgとg」の関係と似たものだと思ってください。
「なんでふたつあるの?」
「ストレージのほうがかなり容量大きいし、そっちだけでいいのでは?」
などと思われてもおかしくありません。
ですが、このふたつには明確な違いがあります。
「機能面」と「用途面」に区切って見てみましょう。
機能面の違い
まず機能的には、以下のような違いがあります。
メモリ:”一時的に”データを保存する(通電が切れるとデータが消える)
ストレージ:”恒久的に”データを保存する(通電が切れてもデータを保持する)
メモリというのは、スマホやPCの電源を切った(通電が切れた)時点で、データが消える特性を持っています。
これに対し、ストレージはスマホやPCの電源オンオフに関係なく、データを保持し続けます。
「いや、じゃあなおさらストレージだけでいいじゃん」
と突っ込みたくなるかもしれませんが、メモリにはメモリのいいところがあります。
端的に言うと、データを読み書きするスピードが「めっちゃ速い」のです。
「どのくらい?」
残念ながら種類や構成によって大分異なるので、明確に「このくらい!」と申し上げるのは難しいです。
ただ、一例として理論値を挙げるだけでも、その違いは十分ご理解いただけると思います。
<ストレージとメモリの速度レベル比較>
ストレージ:600MB/s
メモリ:19.2GB/s(約19,661MB/s)
※ストレージ:SATA3.0接続SSD、メモリ:DDR4 SDRAM(2400)
メモリのほうが約33倍速いです。要するに次元が違う。
ストレージの中には、これより劇的に高速なNVMe接続のSSDもあれば、遅めのHDD等もあります。ただ、いずれにせよ現時点でメモリより速いストレージは存在しません。
「そんなに速くて、なんの意味があるの?」
その疑問にお答えするため、次は「用途面」の違いを見てみましょう。
用途面の違い
メモリとストレージの用途的な違いは、以下のとおりです。
メモリ:作業中のデータを展開する
ストレージ:作業前、作業後のデータを保管する
単純化した図で表すと、こんな感じになります。
ここでいう「作業」には、例えばこういうものがあります。
- 文書を修正する。
- 動画を視聴する。
- 音楽を聴く。
- アプリを使う。
このうち「文書を修正する」を例にとって、簡単に説明させてください。
例えば、
- Wordで作成するテキストデータ
- Excelで作成する分析データ
- PowerPointで作成するプレゼンテーションデータ
などに限らず、あらゆる文書データは作成された後、作成者または別の誰かによって閲覧され、場合によっては修正されて更新されることがあります。
このとき、
- 作成中のデータ
- 閲覧中のデータ
- 修正中のデータ
は全て「メモリ」上に保存されています。展開、と言ったほうが適切かもしれません。
誤解を恐れずに言えば、モニターに表示されている内容は、メモリ上にあるデータです。マウスのカーソルも、キーボードで入力した文字も、全てです。
極端に言えば、キーボードで入力した文字が画面上へ反映されるまでに数秒かかったら、使い物になりませんよね?
だから作業台としてのメモリには、なにより「速さ」が求められるのです。
一方、
- 展開する前のファイル
- 修正後に保存したファイル
は「ストレージ」に保存されます。
こちらは当然ですが「PCやスマホの電源を切ったら消える」なんて仕様だと成り立ちません。だから「速さ」以上に「データ保持機能」が求められるのです。
上に挙げた「動画を視聴する」「音楽を聴く」「アプリを使う」という用途も、同じ理屈で説明がつきます。
保存されたファイルの時点では、それぞれ「動画データ」「音楽データ」「アプリデータ」という形でストレージに保存されています。
これが、視聴、再生、実行などを行った時点でメモリに展開。
もし変更を加えた状態でデータを保持したいなら、またストレージに保存……ということになります。
ゲームをやる方であれば「セーブ=ストレージに保存」という捉え方が、解りやすいかもしれません。
「メモリ」と「ストレージ」を身近なものにたとえると?
ちなみに、メモリはその用途から「作業机」にたとえられます。
容量は「机の広さ」で、一度に展開できるデータの量に関連します。
「机が狭い状態で、一度にたくさんの書類を置いて作業する」……そんな状況を想像してもらえれば、メモリの容量が少ないPCやスマホの弊害を、イメージしやすいと思います。
要するに「動作がもたつく」……せっかく高速なメモリの実力を活かせなくなる、というわけです。
同じようにストレージを物理的なものにたとえると、「書類棚」が適切でしょう。
容量が大きいということは「たくさんの書類が入る」ということですから、ストレージは「保管量(容量)」がメモリ以上に大事です。
しかし「書類棚に入れた状態で書類を閲覧・修正する」のが、どれほど難しいかは考えるまでもありません。
保管は「書類棚」、作業は「机」で行うことが効率的です。
違うものにたとえると、
- メモリ⇒キッチン台
- ストレージ⇒冷蔵庫
でも同じことが言えます。
冷蔵庫に入れたまま肉や野菜を切る料理人はいないでしょうし、キッチン台に大量の食材を置きっぱなしにしながら料理をするひとがいたら「片付けなよ」と言いたくなります。
メモリとストレージは、どちらもデータを扱うのに欠かせない、重要な要素なのです。
まとめ
今回は、
「ストレージとはなにか?」
「ストレージとメモリの違いは?」
というふたつの疑問にお答えしました。
ストレージという言葉の輪郭が、ある程度はっきりしたのではないでしょうか?
ただ、恐らくあなたはストレージの”種類”として、
- HDD
- SSD
- USBメモリ
- クラウドストレージ
等、多数の具体的な名称を聞いたことがあると思います。
そうなると次は、
「それぞれの違いはなに?」
という疑問が浮かぶでしょう。
そこで次回以降、ストレージの種類を網羅し、それぞれの違いを明らかにするとともに、
「なぜそんなにたくさん種類があるのか?」
ということを、用途に紐づけて語らせていただきます。
ストレージの「4つの用途」……保存、拡張、あと2つは?
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投稿者プロフィール
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PC周辺機器メーカー アイ・オー・データ機器の直販ECサイト「アイオープラザ」店員。
"難しい"PC周辺を"だいたい本音"で語り、"お客様が技術的な知識を学習せずに選べる店"を目指しています!
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