こんにちは、PC周辺機器メーカー直販サイト「アイオープラザ」店員、NAS(ナス)の「なっさん」です!
前回は、主に「ストレージとはなにか?」を解説しました。
その続きとして、今回から2回に分け、
「ストレージってたくさん種類があるけど、それぞれの違いはなに?」
という疑問にお答えしていきたいと思います。
ひと口に「ストレージ」と言っても、
- HDD
- SSD
- USBメモリ
- クラウドストレージ
等、その種類は多岐にわたります。
一体その違いはなんなのか? ということを語る上で……まず今回は「4つの用途」についてご説明いたします。
”だいたい本音”でお話ししますので、ぜひ最後までご覧ください!
※本コンテンツは主に法人向けの内容です。
ストレージの4つの用途
なぜ「ストレージの種類」を説明する前に「用途」から入るのか?
多少乱暴に結論付ければ、
「用途が複数あるからこそ、ストレージの種類が複数に分かれた」
と言っても過言ではないと思うからです。
厳密に歴史を紐解くと、そう言い切れないものもありますが……いずれにせよ、
「こういう用途に適切!」
と”言えない”種類のストレージは、時代の流れで淘汰されていきました。
ですから「ストレージの種類」を知る前に、「用途がこれだけある」という話を理解するのが重要だと思うのです。
その用途とは、以下のとおりです。
ストレージの用途はこの4つしかない、と私たちは考えています。
- 保存用途
- 拡張用途
- 共有用途
- バックアップ用途
あくまで一例ですが、簡易的な図にすると以下のようになります。
ではひとつずつ、順番にお話ししましょう。
1.保存用途
ひとつ目は「保存」です。
ただ、正確には「拡張」も「共有」も「バックアップ」も、「データを保存する」という行為なしでは語れません。
それでも敢えてひとつの用途として独立させたのには、理由があります。
「保存」という用途は、ストレージにとって基本中の基本だからです。
保存用途のストレージの具体例として、最も解りやすいのはこれでしょう。
- PCやスマートフォンの中に搭載されている、内蔵ストレージ
私たちは普段、当たり前のようにPCやスマートフォンにデータを保存しています。
「データを保存したい!」
と明確に思ったことがあるひとは少ないと思いますが、もし”データを保存できないPCやスマホ”なんてものがあるとすれば……写真も保存できませんし、アプリもインストールできません。毎回電源を入れる度、”1からデータを作る”必要があります。
これが商品として成立しないことは、考えるまでもないでしょう。
「データの保存」は、PCやスマホにとって必須機能です。だからPCやスマホには、必ずストレージが搭載されています。
他、例えばTV番組を録画する方にとっては、USB HDDが「保存」を実現してくれるストレージと言えるでしょう。
この「保存」という用途を基礎として、他3つの「拡張」「共有」「バックアップ」という用途につながる……そんな風にご理解ください。
2.拡張用途
ふたつ目は「拡張」です。
より正確に言えば「容量の拡張」……「増設」や「容量不足の解消」と言ったほうが解りやすいかもしれません。要するに、
「容量が足りない!」
という困りごとを解決する用途です。
例を挙げると、
- PCの容量が一杯になったので、USB HDDを増設
- スマートフォンの容量が一杯になったので、クラウドストレージを契約
- TV番組を録画するHDDが一杯になったので、もうひとつ買い足し
といったケースが該当します。
もちろん「保存」のために「拡張」するわけですが、
「データを保存したい」
という欲求と、
「容量が足りないから拡張したい」
という欲求は別のものであるため、「保存」と「拡張」は区別すべきと考えています。
3.共有用途
3つ目は「共有」です。
データを自分以外の誰かに「共有する」「受け渡す」……要するに、
「このデータを他のひとと共有したい」
「このデータを他社に開示したい」
といった要望に答える用途となります。
「受け渡す」という行為を物理的な荷物で考えると、
- 手渡す
- 郵送する
- 指定場所に置いておく
といった方法がありますが、実はデータの受け渡しも同じです。例えば、
- 手渡す⇒データの入ったUSBメモリを物理的に渡す
- 郵送する⇒データの入ったSDカードを送付する
- 指定場所に置いておく⇒データをクラウド上に保存し、共有URLを発行する
という感じで、置き換えて考えることができます。
上に挙げた例以外にも「電子メールで送る」「SNSで送る」など、データを共有するメジャーな方法は数限りなく存在します。そういう意味で、「共有」は最も選択肢の多い用途かもしれません。
4.バックアップ用途
最後は「バックアップ」です。
バックアップについては以前、以下のように定義しました。
- データを保存している機器が故障しても、データを喪失しないために、
- 原則「別の媒体」にコピーして保存する
大雑把に言えば「失わないために、複製する」ということです。
具体的には、以下のようなシーンが考えられます。
- PCのデータの一部をブルーレイディスクにバックアップ
- ファイルサーバーのデータをUSB HDDにバックアップ
- スマートフォンのデータをクラウドストレージにバックアップ
ストレージが故障などによって使えなくなると、保存したデータごと失われてしまうリスクがあります。
普段、
「PCが壊れても、データを失いたくない!」
と敢えて意識する方は少ないかもしれませんが、バックアップもストレージの重要な用途のひとつです。
ちなみにバックアップについては、以下の記事で詳しく解説しています。
ご興味のある方はぜひ併せてご覧ください。
バックアップってなに? なんのためにやるの?
まとめ
というわけで、今回は
- 保存用途
- 拡張用途
- 共有用途
- バックアップ用途
というストレージの4つの用途についてお話ししました。
「1.保存用途」は根本的な用途で、他3つの用途の基礎となるものです。
PCやスマホに当たり前のように搭載されている、内部ストレージなどが例となります。
「2.拡張用途」は、例えばその内部ストレージの容量が一杯になった際、増設等によってデータ保存領域を拡張する用途です。
USB HDDなどの外部機器を接続する方法もあれば、クラウドストレージを契約するなどの方法も該当します。
「3.共有用途」は、誰かにデータを共有する、受け渡すという用途です。
物理的なものを渡すときは「手渡し」「郵送」「指定場所に置いておく」などの方法がありますが、データの場合もこれと大きくは変わりません。
ただしUSBメモリなどの機器を使う方法だけでなく、電子メールなどの手段もあり、最も選択肢が豊富な用途とも言えるでしょう。
「4.バックアップ用途」は、万が一PCやスマートフォンが壊れてしまったときでも、データを喪失しないよう、複製しておくという用途です。
こちらも拡張用途同様、USB HDDやブルーレイなどの外部機器を用いる方法もあれば、クラウドストレージを利用する方法もあります。
そして、世の中に多くの種類があるストレージというものは、原則これらの用途に紐づく形で存在しています。
では、そのストレージの「種類」にはどういうものがあって、どれを選べばいいのか?
次回はそれをお話しします。
ストレージの種類は何種類? 4つの用途との関係も解説!
その他、「ストレージについての全般的なご相談」も広く受け付けております。
ここまで触れてきた内容の他、なにか導入の壁となるご懸念がございましたら、ぜひお気軽にお問合せください!
投稿者プロフィール
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PC周辺機器メーカー アイ・オー・データ機器の直販ECサイト「アイオープラザ」店員。
"難しい"PC周辺を"だいたい本音"で語り、"お客様が技術的な知識を学習せずに選べる店"を目指しています!
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