こんにちは、PC周辺機器メーカー直販サイト「アイオープラザ」店員、NAS(ナス)の「なっさん」です!
あなたの会社では、
- 社内のファイル共有(PCデータ共有、データの受け渡し)
を、なにで行っていますか?
「外付けHDDとかUSBメモリー、あとDVD-Rを使うなあ」
という方も、
「ファイルサーバーかな。チーム内ではNASを使ってる」
という方も、
「ああ、全部クラウドストレージだね」
という方もいらっしゃると思います。
中には現状の方法に満足しておらず、
「誰が最新版のファイルを持ってるのか解らない……」
「いちいちUSB HDDを受け渡すのがめんどくさい」
といった悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回はそんな諸々の背景を加味した上で、
- 社内ファイル共有
という用途にフォーカスした際、
「結局どれがいいの?」
という疑問にお答えします。
“だいたい本音”でお話ししますので、ぜひ最後までご覧ください!
※本記事は主に法人向けの内容です。
社内ファイル共有を行う3つの方法
まずは前提から。
冒頭では、
- 外付けHDD
- USBメモリー
- DVD-R
- ファイルサーバー
- NAS
- クラウドストレージ
と、6つの固有名詞を挙げました。
これらを整理すると、社内ファイル共有を行う方法は大きく“3つ“あると言えます。
- データの入った媒体(ストレージ)を受け渡す
- データの入った媒体(ストレージ)に、社内ネットワーク経由でアクセスする
- クラウドストレージサービスに預けたデータにアクセスする
それぞれ簡単にご説明しましょう。
1.データの入った媒体(ストレージ)を受け渡す
これは最も解りやすい方法です。
具体的な商品名で言えば、
- 外付けハードディスク(USB HDD等)
- ポータブルSSD、スティックSSD
- USBメモリー
- CD、DVD、ブルーレイディスク
- SDカード
等が挙げられます。
PC上にある共有したいデータを、上のようなストレージ媒体にコピーし、その媒体を相手に受け渡す方法です(手渡し、郵送など)。
そのメリットとして、以下の2点が挙げられます。
- PCに物理的に抜き差しするし、物理的に渡すので、手軽で解りやすい
- データの転送速度が速いため、大容量のデータを扱いやすい
やはり「物理的な媒体」という点が大きな特長です。
しかし逆に、だからこそのデメリットもあります。
- いちいち物理的に受け渡さなければいけないので、面倒くさい
- 物理的に持ち歩けるので、盗難・紛失に遭うリスク(セキュリティリスク)がある
これらのデメリットをある程度解消できるのが、ふたつ目の方法です。
2.データの入った媒体(ストレージ)に、社内ネットワーク経由でアクセスする
これは具体的な商品名で言うと、
- ファイルサーバー
です。
誤解を恐れずに言うと、大規模な機器には「サーバー」、比較的小規模な機器には「NAS(ナス)」が使われます。
サーバーは「機器を買って設置する」といったレベルの話ではなく、「システムを構築する」といったレベルの話になりますが、NASは「機器を買って設置する」に近いものです(具体的には、NASを有線LANケーブルでハブやルーターに挿し、マニュアルに従って設定を行うだけです)。
「ファイルサーバーって、要するになに? どんなことができるの?」
と思った方のために念のためご説明すると、
「社内ネットワークを通じて、ひとつのHDDに、みんなでアクセスできます」
というのがその答えです。


NASを例に取ると、エントリーモデルであれば15台前後、フラグシップモデルであれば300台くらいまで、同時にアクセスすることができます。
だから例えば同じ社内のネットワークにつながっているPC同士であれば、
- Aさんが渡したいデータをNASに保存する
- BさんがNAS上にあるデータを取得する
という行為を簡単に行えるというわけです。
もちろん都度の受け渡しだけでなく、
- 普段から、データをPCではなく全部NASに置いておく
という運用もできますから、例えば進捗報告ファイルや経費リスト、営業資料など、チームや部門で定期的に更新するファイルをNASに置けば、複数のメンバーが交互に編集するといったことも可能になります。
そしてある意味では、NASなどのファイルサーバーをさらに発展させたのが3つ目の方法です。
3.クラウドストレージサービスに預けたデータにアクセスする
3つ目は、
- クラウドストレージ
ですが、これだけ「機器」ではなく「サービス」です。
どういうことか?
端的に言うと、クラウドストレージは「買う」のではなく「利用する」ものだということです。ファイルサーバーの所有権は当然買った会社にありますが、クラウドストレージの所有権は通常、サービス提供を行う事業者にあります。
だから……というわけではありませんが、クラウドは極論どこにあるか解りません。


使い勝手などの利便性としては、NASと同じかそれ以上に良いものだと言えます。
また、サービスを利用するだけなので、
- 機器の設置や運用をしなくて良い
というのも、大きなメリットのひとつです。
つまり、
- 突発的な故障などによって、データが失われるリスクも低い
とも言えます。
しかしながら「世界のどこかにある」ストレージを「所有権がない状態で利用する」という建付けですから、突き詰めると、
「サービス提供事業者を信用できるか?」
という点がカギになります。
またほかのデメリットとして、
- 月額料金が発生するため、ランニングコストが高め
- 利用する容量によって課金額が変わるものも多く、大容量データの扱いには向かない
- 外部ネットワーク経由でアクセスするので、データの転送速度は遅めになりやすい
というものも挙げられます。
というわけで以上、社内のファイル共有を行う3つの方法をご紹介しましたが……恐らく、
「結局どれがいいの?」
と思われたことでしょう。
結論を言うと、
「最もバランスがいいのはNASです」
というのが私たちの考えですが、これはなにも私たちがNASのメーカーだからそう言いたいわけではありません。
ではなぜNASなのか? どうバランスがいいのか?
その根拠を示す意味も込め、次はそれぞれの方法のメリット・デメリットを整理します。
社内ファイル共有を行う3つの方法のメリット・デメリット
とは言えそれぞれのメリット・デメリットは、ここまでにおおよそ挙げています。
足りない情報を補いつつ、まとめる形で整理すると、以下のとおりです(便宜上「外付けHDD」と「NAS」と「クラウド」の比較としています)。
ヘッダーエリア | メリット | デメリット |
---|---|---|
外付けHDD | ・PCに物理的に抜き差しするし、物理的に渡すので、手軽で解りやすい ・データの転送速度が速いため、大容量のデータを扱いやすい | ・いちいち物理的に受け渡さなければいけないので、面倒くさい ・物理的に持ち歩けるので、盗難・紛失に遭うリスク(セキュリティリスク)がある |
NAS | ・ひとつのHDDに、みんなでアクセスできる ・だから「データをPCではなく全部NASに置いておく」といった運用も可能 | ・データを集中管理するので、バックアップ等の対策を行っていない場合、突発的な故障などによってデータが失われると、被害が甚大 |
クラウド | ・利便性はNASと同じかそれ以上 ・機器の設置や運用をしなくて良い | ・機器の所有権がない ・月額料金が発生するため、ランニングコストが高め ・利用する容量によって課金額が変わるものも多く、大容量データの扱いには向かない ・外部ネットワーク経由でアクセスするので、データの転送速度は遅めになりやすい |
乱暴な言い方をすれば、
- 一番メリットが多く、一番デメリットも多いのがクラウドストレージ
です。
だから私たちは、
- 対策できる範囲のデメリットはあるが、メリットが大きいNAS
をオススメします。
これをもう少し解りやすくするため、上の情報をベースに、違う形の比較表にしてみましょう。
外付けHDD | NAS | クラウド | |
---|---|---|---|
設置場所 | 手元 | オフィス内 | 世界のどこか |
データ転送速度 | ◎ 直接PCとつなぐので高速 | 〇 ローカル運用のため速い | △ 回線速度に依存 |
受け渡しの利便性 | △ | ◎ | ◎ |
提供形態 | 買い切り | 買い切り | サービス |
イニシャルコスト | 〇 機器の購入代金 | △ 外付けHDDより高い | ◎ ほぼかからない |
ランニングコスト | ◎ 買替時以外かからない | ◎ 買替時以外かからない | △ 月額料金が発生 |
バックアップ、保守、入替 | 〇 自身で運用 | 〇 自身で運用 | ◎ 事業者が運用 |
先に述べたとおり、私たちは最もバランスのいい選択肢を「NAS」だと考えていますが、とは言え全てのシチュエーションにおいてベストとは考えていません。極論、ケースバイケースです。
ですから上の表の内容をもとに、それぞれに向くシチュエーションをお話しすることで、本記事のまとめとさせてください。
まとめ
社内のファイル共有を行う上で、私たちが「最もバランスのいい選択肢」と考えるのは、
- NAS(小規模ファイルサーバー)
です。
社内のネットワークに接続するだけで、「みんなで使えるデータ領域」として気軽に使える便利さは、一度導入したら離れがたいものだと思います。
もし現在、外付けHDDなどの物理的に受け渡しする媒体しか使われていない場合は、
「ぜひ使ってみてください!」
と強くオススメしたいところです。
業務効率の劇的な向上をご体感いただけるかもしれません。
イニシャルコスト(導入費用)が外付けHDDよりは高くつきますが、運用人数次第では10万円以下でご導入いただけます。
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選択肢100型番以上!「で、何が違うの?」NASの選び方を解説
ただ、注意点をひとつ申し上げると、バックアップ運用は必須です。
先程挙げた表の「NASのデメリット」に、
- データを集中管理するので、バックアップ等の対策を行っていない場合、突発的な故障などによってデータが失われると、被害が甚大
と記載しました。
大事なデータを全て一手に保存する機器ですから、万が一の際でもデータが失われないよう、適切な対応を行っていただく必要があります。
なお、バックアップについては以下の記事で詳しく説明していますので、ぜひ併せてご覧ください。
↓バックアップってなに? という方はまずこちらをどうぞ↓
バックアップってなに? なんのためにやるの?
↓バックアップをするためには、なにを買えばいい? という方はこちらへ↓
NASのバックアップに最適なHDDとは?
また、NASがベストチョイスではないケースとして、例えば
- 編集用の大容量動画データを受け渡しする
- CAD、点群データなどの大容量3D設計データを受け渡しする
といった、「大容量データ」を専門的に扱う場合が挙げられます。
この場合は、
- 高速、大容量の外付けHDD(またはSSD)
が相応しいと言えるでしょう。
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加えて
- クラウドストレージ
がベストなケースですが……実のところ、
- 信頼できるクラウドサービス事業者がある
- ずっと月額費用を支払うことを厭わない
- あまり大容量のデータは扱わない
という3点を満たす場合は、わりと「オススメです!」と言うことができます。
全てをクラウドに移行しなくとも、
- 大容量のデータはNASなどのファイルサーバーで運用する
- そうでないものはクラウドストレージで運用する
などと使い分ける法人も増えていると思われますので、あなたの業務とオフィス環境を加味した上で、運用を考えながら適宜見直すのが良いでしょう。
その意味でも、NASは数万円から試せる手頃な選択肢です。
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