I-O DATAのNASはどう選ぶ? 5つのシリーズの違いを説明!

こんにちは、PC周辺機器メーカー直販サイト「アイオープラザ」店員、NAS(ナス)の「なっさん」です!
今回は、

  • I-O DATAの法人向けNASの選び方

についてお話しします。

実は当店で扱うNASのラインアップって、型番で言うと「100以上」あるんです。

「そんなにあったら選べない!」

というのが普通の心理だと思いますが、ご安心を。
容量ごとにラインアップが分かれているのが最も大きな要因でして、おおまかなくくり(シリーズ)で言うと、「5つ」に減ります。

ただ、それでも、

「違いが解らないと選べない!」

というのが、やっぱり普通の心理だと思います。

そんなあなたへ向け、5つのシリーズの違いを説明しながら、当店の法人向けNASの選び方をご説明いたします。

今回も”だいたい本音”でお話ししますので、ぜひ最後までご覧ください!

※本記事は主に法人向けの内容です。

I-O DATA法人向けNASの、5つのシリーズ

まずは当店で扱う、法人向けNASの5つのシリーズについて列挙します。

  • Zシリーズ(Core i3搭載) 375,760円~
  • Zシリーズ(Atom搭載) 150,370円~
  • Hシリーズ 127,930円~
  • LVシリーズ 81,840円~
  • LEシリーズ 51,040円~

併記した価格は、シリーズごとに最も安価な最新モデルの当店通常価格(税込)を抽出しました。容量などもバラバラなので、一概に比較することはできませんが、ひとつの参考値とお考えください。

「それで?」

と思われた方、すいません。
私自身、新人のころ先輩から、

「いい? NASっていうのはこの5シリーズがあるんだよ」

と教えられ、

「はい! ……えっと、それで?」

と思った記憶があります。
5つある、ということが解っても、違いが解らなければ選びようがありませんよね。

細かな違いを敢えて無視して言うと、これらのシリーズは以下ふたつの要素をもとに分けられています。

  • 搭載OS⇒Windows or Linux?
  • ハードウェアスペック⇒同時接続台数

搭載OSとは要するに

「Windows OSを搭載しているか、それ以外(LinuxベースOS)か?」

です。Windowsがいい! という方以外(特に搭載OSにこだわりのない方)には、安価なLinuxをオススメします。

ハードウェアスペックは、主に「同時接続台数(同時利用人数)」に関係します。
スペックが高ければ高いほど、同時にアクセスしても快適に使えるというわけです。

実際には、他にも細かい違いは多々ありますが、5つのシリーズの違いを説明する上で、最も解りやすい分け方は上記2点です。

そこで、以下それぞれのシリーズについて、このふたつの観点でご説明させてください。

Zシリーズ(Core i3搭載)

当社の「Windows OSを搭載したNAS」には、

  • Zシリーズ

というシリーズ名が付いています。
ただ……最初からややこしくて恐縮ですが、この「Zシリーズ」を敢えて私たちは「2シリーズ」に分けてご説明したいと考えます。

なぜなら、

  • ハードウェアスペック

によって、あまりに「同時接続台数」に差があるからです。

というわけでZシリーズのひとつ目は、

  • Zシリーズ(Core i3搭載)

です。
Core i3はIntel社のCPUの名前でして、NASに使うものとしては、比較的ハイスペックなCPUと言えます。

現行機種の推奨同時接続台数は、

  • 500台

で、当社のNASで最もハイスペックなシリーズです。
Windows OSを搭載した、フラグシップモデル……それが「Zシリーズ(Core i3搭載)」となります。

↓Zシリーズ(Core i3搭載)のラインアップを見てみる↓
同時接続台数500台 Windows OS搭載法人向けNAS Zシリーズ(Core i3搭載)

Zシリーズ(Atom搭載)

ふたつ目は、

  • Zシリーズ(Atom搭載)

です。こちらは「Windows OSを搭載したスタンダードモデル」という位置付けです。

AtomはやはりIntel社のCPUの名前です。
実はこれも、NASに使うものとしては比較的ハイスペックですが、Windows OS搭載NASとしては「まあまあ」というところです。

現行機種の推奨同時接続台数は、

  • 200台

で、「Zシリーズ(Core i3搭載)」の半分以下ではあるものの、これでもかなり多い印象ではないでしょうか?(OSのEditionによっては、もっと少ない台数……50台に制限されます)

つまり、そもそもWindows OSを搭載したNASというもの自体が、NAS全体から見るとハイエンドなものだとご理解いただいて構いません。

↓Zシリーズ(Atom搭載)のラインアップを見てみる↓
同時接続台数200台 Windows OS搭載法人向けNAS Zシリーズ(Atom搭載)
同時接続台数50台 Windows OS搭載法人向けNAS Zシリーズ(Atom搭載)

Hシリーズ

3つ目以降は、Windows OSではなくLinuxベースの当社独自OSを搭載したシリーズになります。

まずはそのフラグシップである、

  • Hシリーズ

です。

推奨同時接続台数は、

  • 64台(10Gb接続時は128台)

と、Zシリーズに比べれば一気に落ちます。
ただ、NASは部門単位のファイルサーバーとして使われることが多いものなので、これでも実用上は十分なスペックであると言えるでしょう。

100名、200名といった規模で使われる場合はともかく、そうではない場合、このHシリーズをお選びいただければ、「とりあえず間違いない」と考えます。

↓Hシリーズのラインアップを見てみる↓
同時接続台数64台 法人向けNAS Hシリーズ

LVシリーズ

4つ目は、

  • LVシリーズ

です。
推奨同時接続台数は、

  • 50台

となります。
そう、実はハイエンドのHシリーズと、そこまで大きな差はありません(1Gbや2.5Gb接続のネットワーク環境で使う場合)。

その意味で、50名以下の環境でお使いになる場合は、LVシリーズが最もコストパフォーマンスに優れた機種だと言えます。
もしお客様に、

「イチオシの機種はどれですか?」

と、事前情報なしで訊かれた場合は、

「LVシリーズです!」

とお答えします。

もちろん、実際にはお客様の用途や同時接続台数によって適切な機種は変わりますが、そのくらい、LVシリーズは私たちが胸を張ってオススメできるシリーズということです。

↓LVシリーズのラインアップを見てみる↓
同時接続台数50台 法人向けNAS LVシリーズ

LEシリーズ

最後5つ目は、

  • LEシリーズ

です。

当社法人向けNASではエントリーモデルに該当しますが、本音で言うと「これで十分なケースも少なくない」です。
同時接続台数は、

  • 25台

と、5シリーズの中で最も少ないですが、逆に言えば

「25台もつながないよ?」

という場合は、導入費用をかなり安価に抑えることができます。
もちろん、「25台以下だからLVシリーズやHシリーズを導入する意味はない」とは一概に言えません。
しかし例えば、

「NASって高いんでしょ?」

という思いから導入に二の足を踏まれている方に対しては、まず「LEシリーズ」のご導入で試されてはいかがでしょう? というご提案が可能です。

↓LEシリーズのラインアップを見てみる↓
同時接続台数25台 法人向けNAS LEシリーズ

以上5つのシリーズについて、

  • 搭載OS⇒Windows or Linux?
  • ハードウェアスペック⇒同時接続台数

というふたつの観点でお話ししました。

もちろん、細かい違いはいろいろと存在しますが、もしあなたがNASをあまり選んだことのない初心者であれば、まずはこのふたつの違いを押さえるのがよいと考えます。

ただし、

「じゃあ、このふたつの観点で選べば、どの型番が自分に合うか選べるの?」

と訊かれたら、

「……いいえ」

とお答えすることになります。
というわけで、今お話しした内容を踏まえた上で、次は「NASの選び方」をお話しさせてください。

NAS初心者でも選べる、選び方の3ステップ

スペック表を見ると解るのですが、NASの機能/性能を表す指標は本当に多岐にわたります。
それは例えば、スマートフォンと同じです。搭載するSoCやメモリ、ストレージの他、カメラの数や性能、防水/防塵対応、おサイフケータイ対応、無線充電対応、Wi-Fi7対応など……数え上げればきりがありません。

ただ、スマートフォンを選ぶ際、そういう細かなスペックを全て理解し、比較した上で検討する方は決して多くないでしょう。
恐らく多くの方が、

  • 価格
  • カメラ
  • ストレージの容量

など、ポイントを絞って検討するのが実態ではないでしょうか?

NASも同じです。
これもかなり大まかな考えですが、NAS初心者の方であれば、まず以下3つのステップに沿って機種を検討すると、迷われることが少ないのではと考えます。

  1. 同時に接続するPCの台数を決める
  2. 容量を決める
  3. その他の要素を検討する

順番に見ていきましょう。

1.同時に接続するPCの台数を決める

ステップ1は、上のほうでお話しした「同時接続台数」の話です。
NASは「みんなで使えるデータ領域」ですから、

  • 何人で使うか?(何台のPCを接続するか?)

が、一番最初に考えるべきことになります。
同時接続台数からシリーズを逆引きすると、以下のとおりです。

  • ~500台⇒Zシリーズ(Core i3搭載)
  • ~200台⇒Zシリーズ(Atom搭載)
  • ~64台⇒Hシリーズ
  • ~50台⇒LVシリーズ
  • ~25台⇒LEシリーズ

まずはこれらのうち、どのシリーズがご自身の環境に適切かをご判断いただけると幸いです。

2.容量を決める

ステップ2は「容量」です。
各シリーズには、搭載するHDDの容量によって多数のラインアップが存在します。
シリーズごとに用意された容量のレンジは異なりますが、大まかに書くと以下のとおりです。

  • Zシリーズ(Core i3搭載)⇒2TB~80TB
  • Zシリーズ(Atom搭載)⇒2TB~32TB
  • Hシリーズ⇒2TB~144TB
  • LVシリーズ⇒2TB~32TB
  • LEシリーズ⇒2TB~16TB

法人で運用されるNASについては、RAIDといった「データを複数のHDDで二重化する」機能をONにするのが一般的です。
ですから実際に使える容量は、製品の容量の2分の1になります。
これを「実効容量」と言いますが、容量を選ぶ際には、どのくらいの実効容量が必要か? という観点でお選びください。

なお、特に大容量のモデルをお求めの方は、以下の記事も併せてご確認いただけると嬉しいです。

3.その他の要素を検討する

誤解を恐れずに言えば、

  • 同時接続台数
  • 容量

のふたつだけでNASを選んでも、大きく失敗することはないと考えます。
ただし「他のこだわりがなければ」です。

その意味で、ステップ3は「その他全ての要素」と、かなりざっくりまとめさせていただきます。例えばここにどういう要素が入るかというと……

  • 搭載OS(Windows or Linux)
  • 搭載ドライブ(HDD)の数
  • サーバーラックに設置したい
  • 買い替えなので、データ移行が簡単な仕組みが欲しい

などです(細かい機能などにフォーカスすると、他にも大量にあります)。
この辺りの話は、もう少し詳しくご説明した記事がありますので、ご興味のある方は併せてご確認ください。

まとめ

以上、今回は

  • I-O DATAの法人向けNASの選び方

についてお話ししました。
具体的には、当社のラインアップが、

  • 搭載OS⇒Windows or Linux?
  • ハードウェアスペック⇒同時接続台数

によって大きく5シリーズに分かれていることと、最も単純な選び方の手順として、

  1. 同時に接続するPCの台数を決める
  2. 容量を決める
  3. その他の要素を検討する

という3ステップの考え方があることをご紹介しました。
それぞれのシリーズの具体的なラインアップについては、ぜひ以下のURLからご確認ください。

↓Zシリーズ(Core i3搭載)のラインアップを見てみる↓
同時接続台数500台 Windows OS搭載法人向けNAS Zシリーズ(Core i3搭載)

↓Zシリーズ(Atom搭載)のラインアップを見てみる↓
同時接続台数200台 Windows OS搭載法人向けNAS Zシリーズ(Atom搭載)
同時接続台数50台 Windows OS搭載法人向けNAS Zシリーズ(Atom搭載)

↓Hシリーズのラインアップを見てみる↓
同時接続台数64台 法人向けNAS Hシリーズ

↓LVシリーズのラインアップを見てみる↓
同時接続台数50台 法人向けNAS LVシリーズ

↓LEシリーズのラインアップを見てみる↓
同時接続台数25台 法人向けNAS LEシリーズ

なお、NASをご導入する際には、本体だけでなく、

  • バックアップ
  • 保守

のご導入も同時にご検討ください。
このふたつは、万が一NASが故障した際、

  • データを消失(喪失)しないための対策
  • 運用が停止する時間を、1日でも縮めるための対策

として非常に有効です。
詳しく知りたい方は、ぜひそれぞれ以下の記事をご参照いただけると嬉しいです!

その他、「NASについての全般的なご相談」も広く受け付けております。ここまで触れてきた内容の他、なにか導入の壁となるご懸念がございましたら、ぜひお気軽にお問合せください!

投稿者プロフィール

NAS(ナス)の「なっさん」
NAS(ナス)の「なっさん」
PC周辺機器メーカー アイ・オー・データ機器の直販ECサイト「アイオープラザ」店員。
"難しい"PC周辺を"だいたい本音"で語り、"お客様が技術的な知識を学習せずに選べる店"を目指しています!