こんにちは、PC周辺機器メーカー直販サイト「アイオープラザ」店員、NAS(ナス)の「なっさん」です!
これまで2回にわたって、”据え置き型”のLTEルーターについてお話ししてきました。
LTEルーターとは? Wi-Fiルーターとの違いも解説!
今回は完結編として、据え置き型LTEルーターの「選び方」と「導入後に後悔しないための4つの観点」をお話しします。
今回も“だいたい本音”でお話ししますので、ぜひ最後までご覧ください!
※本コンテンツは主に法人向けの内容です。
たったひとつの選び方
まずは”ひとつの側面から見た”結論です。
誠に恐縮ながら「当店で販売している商品」に限って言えば、据え置き型LTEルーターの選択肢は「ほぼひとつ」しかありません。
↓その商品を見てみる↓
Wi-Fi/有線LAN接続対応 据え置き型LTEルーター UD-LT2
この「UD-LT2」という商品は、今回お話しする「導入後に後悔しないための4つの観点」から見ても、遜色のない仕様であるということは先に申し上げておきます。
ですから
- たったひとつの選び方
というか、「選ばなくていいです」というのが私のコメントになりますが……これで「以上、終了です」だと、
「いや、それってあなたが売りたいものを押し付けてるだけだよね?」
と思われてしまっても仕方がありません。
無論、実際には
「どんな場面、用途であっても、UD-LT2が間違いなくベストです!」
とは申し上げられません。
では、どういうケースならUD-LT2で十分なのか、どういうケースだと不十分なのか?
それを明らかにするためにも、
- 導入後に後悔しないための4つの観点
をお話しさせてください。
導入後に後悔しないための4つの観点
「据え置き型LTEルーター」という商品は、前回までに比較対象として出した、
- Wi-Fiルーター
- モバイルルーター
よりも知名度の低い商品です。
ですから世の中にある複数の商品を見比べた際、
「なにが違うの?」
「どうやって選べばいいの?」
という疑問が生まれやすい機器だと思います。
しかしながら、
「うーん、まあ、どれも大体同じでしょ?」
という考えでとりあえず導入してみる、という方法を取ると、Wi-Fiルーターやモバイルルーターよりも失敗しやすい商品です。
そこで、今回は「実際にどういう失敗をしやすいのか?」を踏まえつつ、
- 導入後に後悔しないための4つの観点
を抽出し、ひとつひとつご説明させていただきます。
具体的には、以下のとおりです。
<据え置き型LTEルーター導入後に後悔しないための4つの観点>
- どこのSIMを使うのか?
- 機器をどうやってつなぐか?
- どこに設置するか?
- 障害発生時にどこまで備えられるか?
1. どこのSIMを使うのか?
まずひとつ目は「どこのSIMを使うのか?」という観点です。
LTEルーターが通信を行うためには、SIMカード(シムカード)が必要です。
SIMカードはスマートフォンにも入っている小さなカードで、NTTドコモなどの通信キャリアが発行するものです。
SIMカードをLTEルーターに挿入することで、初めてLTE通信が可能となります。
だからあなたがLTEルーターを導入する場合、機器の購入とは別に、通信キャリアとSIMカードの契約を行う必要があるということです。
ここで出てくるのが、
「どこのSIMを使うのか?」
という話です。
有名な通信キャリアとしては、
- NTTドコモ
- au
- ソフトバンク
- 楽天モバイル
という大手4大キャリアの名前が真っ先に上がるでしょう。
ただしこれ以外にも、これら大手キャリアから回線を借りて事業を展開する、MVNO(エムブイエヌオー)といった事業者が多数存在します(例えば「格安スマホ」とか「格安SIM」という謳い方で事業展開をしているところなどがそれです)。
ここで強調したいことは、ふたつあります。
- LTEルーターの機種によっては、大手4大キャリア全てには対応していない
- 大手キャリアに対応していても、MVNOのSIMでは動作確認を行っていない機種もある
世の中には、例えば「NTTドコモのSIMにのみ対応したLTEルーター」が存在します。
昔と比べれば複数のキャリアに対応する機器が増えている印象ですが、中にはまだ一部キャリアのSIMには非対応となっている機器もあります。
また、大手キャリアのSIMには対応していても、MVNOのSIMにはなんら言及していない場合もあるでしょう。
原則としては、おおもとである大手キャリアの回線で使えるなら、そこから回線を借りているMVNOの回線でも使えるはずですが、通信設定など「全てが同じわけではない」ため、注意が必要です。
このように、SIMを取り巻く背景には、幾つか留意すべきポイントがあります。
「導入する機器を決めてから通信キャリアを選択する」なら問題ありませんが、使いたい通信キャリアが決まっているなら、真っ先に「対応SIM」を選定要件に挙げるべきでしょう。
ちなみに当社のUD-LT2は、
- NTTドコモ
- au
- ソフトバンク
- 楽天モバイル
の大手4大キャリアのSIMには全て対応しています。
MVNOのSIMについても、複数の著名なサービスについて動作確認を行っておりますので、具体的なサービス名が気になる方は商品ページの「概要・特長」をご参照ください。
2. 機器をどうやってつなぐか?
SIMに続くふたつ目の観点は「機器をどうやってつなぐか?」です。
特に難しい話ではありません。要はLTEルーターを用いてネットワークに接続する、
- PC
- スマートフォン
- タブレット端末
- ネットワークカメラ
- IoTセンサー
などの機器を、
- Wi-Fi(無線LAN)
- 有線LAN
のどちらでつなぐか? という話です。
LTEルーターの中には、どちらか一方だけに対応している機種もありますので、お望みの接続方式に対応しているかどうか、予め確認することをオススメします。
ちなみにUD-LT2はWi-Fi、有線LAN接続の両方に対応しています。
3. どこに設置するか?
3つ目の観点は「どこに設置するか?」です。
これは「環境要件」に影響します。具体的には、
- どのくらいの温度、湿度の場所か?
- 風雨にさらされる場所か?(屋外か?)
- 埃や塵が舞いやすい場所か?
- 電波が遮られる場所か?
といった内容に対し、LTEルーターが
「どこまでハードな環境に耐えられる仕様か?」
という話です。それぞれスペック上は以下の項目で推し計ることができます。
- どのくらいの温度、湿度の場所か?⇒使用温度範囲、湿度範囲
- 風雨にさらされる場所か?(屋外か?)⇒防水仕様の有無、外付けアンテナ対応の有無
- 埃や塵が舞いやすい場所か?⇒防塵仕様の有無、外付けアンテナ対応の有無
- 電波が遮られる場所か?⇒外付けアンテナ対応の有無
例えば「直射日光の当たらない屋内の、棚の上」等に設置するなら、そこまでデリケートな環境ではないので、環境要件をそこまで気にしなくてもいいかもしれません。
ですが、
- 自動販売機などの機器内部に組み込む
- 分電盤ボックス等の内部に設置する
- あまり人が立ち入らない、空調管理のない部屋に設置する
- 日光や風雨の入り込む、建物の入口近く(半屋外)に設置する
などの場合は、機器周辺の温度が上がりやすかったり、電波が遮られやすかったりするため、環境要件を気にしたほうが良いでしょう。
UD-LT2は上記のようなハードな環境でも問題なく動作するよう、
- 使用温度範囲:-20~60℃
- 使用湿度範囲:10~90%
という仕様になっています(いわゆる一般家庭向け機器だと、使用温度範囲は0-35℃、使用湿度範囲は20-80%のものもあります)。
また、本体は防水/防塵仕様ではありませんが、
- IP56相当の防水/防塵性能を持った延長アンテナ
をオプションとしてご用意しています。
金属製の筐体/ボックス内へUD-LT2本体を設置し、延長アンテナのみを外に出すことで、
- 電波が遮断されやすい環境
- 防水/防塵が必要な環境
への設置にも対応できるようになっています。
ちなみにLTEルーターのように電波を飛ばす機器の場合、我々メーカーは電波法の認証を取得しますが……この認証は「アンテナを含めて」取得するものです。
なので、もしこういったオプションアンテナの用意がない機器に対し、その辺りで外付けの防水/防塵アンテナを買ってきて使うと法律違反になってしまいますので、ご留意ください。
4. 障害発生時にどこまで備えられるか?
最後、4つ目の観点は「障害発生時にどこまで備えられるか?」です。
今までの項目と比べると、大分幅の広い話になりますが……これは、
- 障害が発生しにくいように作られているか?
という意味ではなく、
- 障害が発生したときのことが、どこまで想定されているか?
という意味です。
なぜなら、誤解を恐れずに言えば「ネットワーク機器の通信障害」は、”起きるもの”だからです。
もちろんネットワークというのは電気や水道と同じ「インフラ」ですから、24時間365日接続可能であってほしいものです。
とは言え、特に「無線通信」は目に見えないものですし、電波同士が干渉することも多々あるため、安定した通信を24時間365日続けることはかなり難しいというのが実情です。
そういう性質のものを、限りなく24時間365日に近いところまで維持するためには、
- 障害は”起きるもの”という前提
- 起きたとき、いかに速やかに復旧するか?
という考え方が必要だと言えます。
そのような点に配慮されたLTEルーターの場合、例えば
- 障害時に本体を再起動する
- 設定したスケジュールに則って再起動する
- リモートで状態監視、再起動、ファームウェア更新ができる
- 2枚の異なるキャリアのSIMカードを搭載でき、片方の回線に障害が起きたらもう片方の回線に切り替える
といった機能を搭載しています。
「障害は起きるもの」という前提に立つからこそ、障害が発生する前に手を打ったり、発生した時点で自動復旧を試みるという考え方になるのです。
ちなみにUD-LT2の場合、上の4つについては以下のような仕様となっています。
- 障害時に本体を再起動する⇒〇対応(リンクリカバリ機能)
- 設定したスケジュールに則って再起動する⇒〇対応(タスク管理機能)
- リモートで状態監視、再起動、ファームウェア更新ができる⇒〇対応(リモートメンテナンス機能)
- 2枚の異なるキャリアのSIMカードを搭載でき、片方の回線に障害が起きたらもう片方の回線に切り替える⇒×非対応(デュアルSIMスロット搭載)
最後の項目には対応しておりませんが、他は全て対応です。
また、もっと根本的な、
- 「機器が故障した場合」の復旧対応をスピーディーにする
という観点では、
- デリバリィ保守パッケージ
をオプションとしてご用意しています。
通常保証は
- 3年保証(センドバック)
となりますので、故障時には一旦商品をご送付いただき、修理の上ご返送する形です。
場合によっては、恐れ入りますがご対応に2~3週間を要する場合もございます。
デリバリィ保守に予めご加入いただくことで、故障のご連絡から最短で翌営業日に代品をお届けしますので、大幅にダウンタイムを抑制できるというわけです。
まとめ
というわけで今回は、据え置き型LTEルーターに関する
- 導入後に後悔しないための4つの観点
をご説明しました。
<据え置き型LTEルーター導入後に後悔しないための4つの観点>
- どこのSIMを使うのか?
- 機器をどうやってつなぐか?
- どこに設置するか?
- 障害発生時にどこまで備えられるか?
1は「対応する通信キャリア」の幅広さに関係します。
2は「PC等の機器を接続する方法」として、Wi-Fiと有線LANのいずれかまたは両方に対応しているか、という話です。
3は「環境要件」に紐づく話で、使用温度範囲や湿度範囲、防水/防塵対応、電波が遮断されやすい場所に設置した際、外付けのアンテナで対処できるかどうか? といった観点になります。
4は、「障害が起きることに備えた機能やオプションの充実」です。自動再起動や遠隔状態監視、保守パッケージなどの有無がポイントになります。
そして当社ほぼ唯一の選択肢であるUD-LT2は、これらの観点で見た際、「概ね良い選択肢となり得るのではないでしょうか?」というのが私たちの所感です。
ただし、
「でも、デュアルSIMには対応してないんでしょ?」
と言われるとそのとおりでして……それが必須の場合は、恐れ入りますが現状はご提案が難しいというのが本音です。
逆に、その点にはこだわらないということなら、法人用途の据え置き型LTEルーターとして必要十分な仕様を満たし、かつ1台からリーズナブルな価格でお求めいただけるという意味で、自信を持ってオススメできます。
「具体的には、いくらするの?」
と思っていただけた方は、ぜひ以下のページからご確認いただけると嬉しいです!
↓UD-LT2の価格、詳細な仕様を確認する↓
Wi-Fi/有線LAN接続対応 据え置き型LTEルーター UD-LT2
↓オプションの防水/防塵延長アンテナはこちら↓
UD-LT2用 LTE延長アンテナ UD-ANT2
↓DINレールに取り付ける際の専用アダプターもあります↓
UD-LT2専用DINレール取付用アダプター5個セット UD-DIN
ちなみに……UD-LT2を「当社”ほぼ”唯一の選択肢」と言いましたが、実は広い意味ではもう1ラインアップだけ取り扱いがございます。
違いは「接続方法」です。
UD-LT2はPC等の機器と「Wi-Fiまたは有線LAN」で接続しますが、その商品「UD-USC1」は
- USB(Type-CまたはA)
で接続します(厳密に言うと「LTEルーター」ではなく「LTEドングル」という名前の機器です)。
ですから必然的に接続機器は「1台のみ」ですし、機能面ではUD-LT2には及びません(特に「障害発生時にどこまで備えられるか?」という観点に対し)。
ただし、
- 大手4大キャリアのSIMカードに対応
- 使用温度範囲は-20~60℃(高温、低温環境対応)
- IP56相当の防水/防塵性能
- Windows、macOS、iPadOS、Linuxなど豊富な機器のOSに対応
と、こちらも法人用途向けに作られた仕様なので、ある程度の性能は担保されています。
価格はUD-LT2よりも安いため、「条件合うかも?」という方はこちらもぜひご検討ください!
↓UD-USC1の価格、詳細な仕様を確認する↓
USB Type-C & USB A両対応LTE USBドングル UD-USC1
その他、「LTEルーターについての全般的なご相談」も広く受け付けております。
ここまで触れてきた内容の他、なにか導入の壁となるご懸念がございましたら、ぜひお気軽にお問合せください!
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PC周辺機器メーカー アイ・オー・データ機器の直販ECサイト「アイオープラザ」店員。
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