「この選択で大丈夫?」NAS購入前に確認すべき11のチェックポイントとは?

こんにちは、PC周辺機器メーカー直販サイト「アイオープラザ」店員、NAS(ナス)の「なっさん」です!

「NASの導入・買替を目的に、なんとか機種を一応選んでみた。
けど、本当にこれでいいのかな……?」

そんなあなたへ向け、今回は私たちの観点から見た「ここを押さえればある程度失敗しないのでは?」というチェックポイントをお話しします。
ぜひ最後までご覧ください!

なお、まだ機種選定前のあなたには、まず以下のコンテンツをオススメします。

※本コンテンツは主に法人向けのNASについて書かれています。

購入前に確認したい、11のチェックポイント

まず結論から入ります。
NASを買うときにチェックすべき11のポイントは、以下のとおりです。

No区分チェックポイントCheck
1設置/運用ネットワーク環境はあるか?
2データ喪失リスクへの備えは?
3業務停止リスクへの備えは?
4故障HDDの故障への備えは?
5停電時の故障への備えは?
6経年劣化時など、突然の故障への備えは?
7機種選定Windows OS搭載NASが必要か?
8サーバーラックに設置するか?
9買替の場合、データ移行手順は確認済みか?
10利用人数に合っているか?
11ひとりあたりの容量に不足はないか?

今までの記事を読んでいただいた方なら、

「あれ? 前に説明してた内容と似てない?」

と思われたかもしれません。

まさに「これまで数回にわたってご説明させていただいた内容を、俯瞰してチェックする」というのがこのチェックポイントです。
ではひとつひとつの項目について、軽く触れていきます。

NASの設置/運用に関する3つのチェックポイント

ひとつ目の区分は「NASの設置/運用に関するチェックポイント」です。

No区分チェックポイントCheck
1設置/運用ネットワーク環境はあるか?
2データ喪失リスクへの備えは?
3業務停止リスクへの備えは?
4故障HDDの故障への備えは?
5停電時の故障への備えは?
6経年劣化時など、突然の故障への備えは?
7機種選定Windows OS搭載NASが必要か?
8サーバーラックに設置するか?
9買替の場合、データ移行手順は確認済みか?
10利用人数に合っているか?
11ひとりあたりの容量に不足はないか?

なぜこの3つなのか? とご興味を持たれたあなたは、ぜひ以下の記事をご覧ください。

1.ネットワーク環境があるか?

NASは有線LAN端子でネットワークに接続する機器です。
ですから、利用環境にネットワークがない場合はそもそも使うことができません。

「そんなの当たり前だろ。当然あるよ」

という方は次のチェックポイントへ行ってください。

「どうだろう……あると思うけど……」

という方は、NASを設置したい場所に

  • インターネット接続環境があるか?
  • 有線LAN端子を備えたハブなどの機器があるか?

という2点をご確認いただければと思います。
両方Yesであれば、このチェックポイントはOKと言って良いでしょう。

2.データ喪失リスクへの備えは?

NASは大事なデータを集中して保存する機器です。
だから故障などの不測の事態によって「データが永遠に失われる」ことが最大のリスクとなります。

この「データ喪失リスク」への備えを、購入時点で考えているか? というのが本チェックポイントです。
もう少し平たく言い換えると、

「バックアップ運用は決めているか?」

となります。

データ喪失リスクに最も効くのは、バックアップ運用です。

「買ったあとにゆっくり考えればいいや」と思っていても、大抵の場合はそのまま時間が過ぎてしまいます。
壊れたあとに、

「あぁ……バックアップを取っておけば……」

という事態に陥ってしまうと悲惨ですから、ぜひこのチェックポイントもご考慮ください。

なお、

「バックアップってどうすればいいのか解らない!」

という方は、ぜひ以下の記事をお役立ていただけると嬉しいです。

3.業務停止リスクへの備えは考えたか?

データ喪失リスクに次いで対策すべきは「業務停止リスク」です。

NASが故障したとき、バックアップを取っていればデータ喪失リスクは回避できます。
しかしバックアップデータを復旧するための「修理されたNAS」が手元に届くまで、数週間かかるとしたらどうでしょう? その間、業務が停止してしまいかねません。

そのリスクへの備えは、

  • 有償保守プランへの加入。
  • リレーNAS(レプリケーション)環境構築。

のいずれかが考えられます。

前者は万が一のNAS故障時に「すぐにサービスマンが新しいNASを持って駆けつける」or「すぐに新しいNASが送られてくる」というサービスです。
後者はそもそも「NASを2台運用し、常に全く同じ状態にする」という方法です。

前者でもNASを復旧するまでの時間を大幅に短縮できますし(プランによって1~7日程度)、後者なら「1台が壊れたらもう1台にすぐ切り替え」できますので、ほとんど業務を止めずに運用を継続できます。

NASの故障に関する3つのチェックポイント

ふたつ目の区分は「NASの故障に関するチェックポイント」です。

No区分チェックポイントCheck
1設置/運用ネットワーク環境はあるか?
2データ喪失リスクへの備えは?
3業務停止リスクへの備えは?
4故障HDDの故障への備えは?
5停電時の故障への備えは?
6経年劣化時など、突然の故障への備えは?
7機種選定Windows OS搭載NASが必要か?
8サーバーラックに設置するか?
9買替の場合、データ移行手順は確認済みか?
10利用人数に合っているか?
11ひとりあたりの容量に不足はないか?

こちらもなぜこの3つなのか? とご興味を持たれたあなたは、ぜひ以下の記事をご覧ください。

4.HDDの故障への備えは考えたか?

NASはいつか壊れます。
残念ながらそれは事実です。

ですが「壊れにくいNAS」は存在しますので、そういう観点を持ってNASを選んだか? 
というのがこのチェックポイントです。

具体的には、

  • 高信頼性HDD(NAS専用HDD等)の搭載
  • データの2重化(RAID1などの冗長性対策機能)
  • 防振設計・防塵フィルターの搭載

といった要素が該当します。
必ずしも全てYesである必要はありませんが、ひとつ目とふたつ目については我々が法人向けモデルのほぼ全てに適用している要素ですから、強くオススメいたします。

5.停電時の故障への備えは考えたか?

停電などが原因でNASへの電力供給が突然切れると、その瞬間故障してしまうリスクが高まります。
これを回避するには、UPS(無停電電源装置)の導入がオススメです。

「そうそう停電なんてしないよ」

と思われた方……確かに日本の場合、相対的にそう言えるかもしれません。

全てのリスクは投資コストとのバランスで決めるのが良いでしょうから、UPSが必須と申し上げるつもりはありません。
ただ、UPSというものを一度は検討したか? ということが大事だと考えています。

6.経年劣化時など、突然の故障への備えは考えたか?

どれほど故障しにくいNASや環境を揃えたとしても、NASはいつか壊れます。
だから最終的に考えるべきは、

「いきなり壊れた!」

とならないようにすることです。

「そろそろ壊れそうだぞ……」

と予測できれば、事前に新しい機種に入れ替えることも可能です。
それを実現するのは、例えば当社の場合「無償のクラウドサービス」です。

  • お使いのNASの状態を定期的に当社サーバーへ送信。 
  • 異常発生時にはメールでお知らせ&それ以外に定期レポートも送付。 

といった機能によって、経年変化に気付きやすくするということです。

「買うときに、壊れるときのことまで考えるの?」

と思われるかもしれませんが、NASに保存するデータはそれくらい重要なものではないでしょうか?

NASの機種選定に関する5つのチェックポイント

3つ目、最後の区分は「NASの機種選定に関するチェックポイント」です。

No区分チェックポイントCheck
1設置/運用ネットワーク環境はあるか?
2データ喪失リスクへの備えは?
3業務停止リスクへの備えは?
4故障HDDの故障への備えは?
5停電時の故障への備えは?
6経年劣化時など、突然の故障への備えは?
7機種選定Windows OS搭載NASが必要か?
8サーバーラックに設置するか?
9買替の場合、データ移行手順は確認済みか?
10利用人数に合っているか?
11ひとりあたりの容量に不足はないか?

こちらもなぜこの5つなのか? とご興味を持たれたあなたは、ぜひ以下の記事をご覧ください。

7.Windows OS搭載NASが必要か?

NASにはWindows OSを搭載した機種と、それ以外のOS(Linuxなど)を搭載した機種があります。
前者のほうが高価なので、「Windowsでなければならない理由」がない場合は、それ以外のOSを搭載したモデルを選ぶのが良いでしょう。

Windowsでなければならない理由とは、例えば以下のようなものです。

  • Windows Serverの管理画面のUIに慣れている。
  • Active Directoryによるアクセス管理をスムーズに行いたい。
  • Windowsに対応したバックアップソフトウェアなどを使いたい。

いずれもNASを管理する側の観点で、NASの利用者から見るとあまり違いはありません。

8.サーバーラックに設置するか?

これは「形状」の話です。
NASにはサーバーラックに設置する「ラックマウントタイプ」と、立方体の箱のような形状の「据置タイプ」があります。

これも「サーバーラックに設置する」という明確な理由がない限りは、安価な据置タイプを選ぶのが良いでしょう。

9.買替の場合、データ移行手順は確認済みか?

新規導入の場合は気にしなくとも良いですが、既にNASを導入している場合は「データ移行」が必要になります。
データの引っ越しを行うための機能やツールは世の中にたくさんありますが、中には

  • データの中身だけを移行し、設定情報は引き継げない。 
  • 扱うためにはプログラミングの知識が必要。 
  • 移行中はNASを使えない。 

といったものもありますから、事前に「移行方法」と「かかる時間」を確認しておくのが良いでしょう。

ちなみに当社のNASで、特にこの「移行」に力を入れたシリーズがあります。

10.利用人数に合っているか?

NASメーカーは、各社複数のシリーズをラインナップしていますが、主に「なにによって分かれているか」というと、「利用人数」です。
多くの機器で同時にアクセスしようとすればするほど、NASに高い性能が求められ、必然的に高額となります。

ただしスペックが足りないシリーズを選ぶと最悪「使い物にならない」という事態に陥ってしまいかねないため、ある程度余裕を持った機種選定をしているか? という観点が大事です。

11.ひとりあたりの容量に不足はないか?

NASはどのシリーズにも複数の容量ラインナップが用意されています。

当たり前ですが、容量が一杯になるとそれ以上保存できなくなります。
ですからある程度余裕を持った容量を確保するのがオススメです。

とは言えデータの増え方を予め正確に予測するのは難しいため、現時点の実態を基に、「ひとりあたりどのくらいの容量を必要とするか」を積み上げる形で設定するのが良いでしょう。

まとめ

以上が「NAS購入前に確認したい、11のチェックポイント」です。
ぜひ全ての項目について、ご購入前にお考えを整理してみてください。

No区分チェックポイントCheck
1設置/運用ネットワーク環境はあるか?
2データ喪失リスクへの備えは?
3業務停止リスクへの備えは?
4故障HDDの故障への備えは?
5停電時の故障への備えは?
6経年劣化時など、突然の故障への備えは?
7機種選定Windows OS搭載NASが必要か?
8サーバーラックに設置するか?
9買替の場合、データ移行手順は確認済みか?
10利用人数に合っているか?
11ひとりあたりの容量に不足はないか?

またその他、「NASについての全般的なご相談」も広く受け付けております。
ここまで触れてきた内容の他、なにか導入の壁となるご懸念がございましたら、ぜひお気軽にお問合せください!

投稿者プロフィール

NAS(ナス)の「なっさん」
NAS(ナス)の「なっさん」
PC周辺機器メーカー アイ・オー・データ機器の直販ECサイト「アイオープラザ」店員。
"難しい"PC周辺を"だいたい本音"で語り、"お客様が技術的な知識を学習せずに選べる店"を目指しています!