ファイルサーバーとNAS、どう違う? そもそもサーバーとは?

こんにちは、PC周辺機器メーカー直販サイト「アイオープラザ」店員、NAS(ナス)の「なっさん」です!
今回は、

「ファイルサーバーとNASってどう違うの?」

という疑問を持つあなた、あるいはそれ以前に

「そもそもサーバーってなんなの?」

という疑問を持つあなたへ向け、敢えて技術的な話を全部横に置いてご説明します。
今回も“だいたい本音”でお話ししますので、ぜひ最後までご覧ください!

ちなみに「NASってなに?」という方はまずこちらからどうぞ。

※本コンテンツは法人向けです。

大雑把な結論

まず最初に結論からいきます。

ただ、正直に申し上げるとこの結論はだいぶ大雑把です。
「いやいや、それじゃあ……」と思われてしまうかもしれませんが、とりあえず申し上げます。

Q:ファイルサーバーとNASってどう違うの?
A:同じと言えば同じで、違うと言えば違います。

「いやいや! それじゃあなにも解らないよ!」

と思われましたよね? すいません。
なんというかこの話、ひどく個人的な感覚で恐縮ですが、

「非常食と乾パンってどう違うの?」
「消毒薬とアルコールってどう違うの?」

みたいな質問に似てるのでは、と思うのです。

「まあ~、同じと言えば同じだし、違うと言えば違うよね~」

と言いたくなる気持ち、わずかでもお解りいただけますでしょうか?

もちろん、ここで「以上、終了!」とはなりませんのでご安心を。
じゃあ「一体どこが同じで、どこが違うのか?」というのをお話しさせてください。

ただ……その前にもうひとつ冒頭に挙げた疑問、

「そもそもサーバーってなんなの?」

にお答えします。

ファイルサーバー以前に、サーバーとは?

「そもそもサーバーってなんなの?」

これもひと言でお答えするのは難しいですが、とりあえず

「ビールサーバー」

をイメージしてください(ウォーターサーバーでも可)。
ビールを提供する器具、ですよね?

こんな風に「なにかを提供するもの」がサーバーです。
ただしIT業界で「サーバー」と言った場合、提供されるのはビールでも水でもなく「機能やサービス」ということになります。
例を出すと、提供されるサービスによって以下のような種類があります。

  • Webサーバー
  • DNSサーバー
  • メールサーバー
  • DBサーバー
  • FTPサーバー

謎のアルファベットの羅列が出た! と思った方、ご安心を。
ここでご理解いただきたいのはそれぞれの機能ではありません。
例えばあなたがご覧になるインターネットのWebサイトも、誰かとやり取りするメールも、LINEやXなどのアプリも、全てこれらの「サーバー」が裏で動くことで、機能を実現しているということです。

その役割は様々ですが、概ねどんなサーバーにも共通するのは「多数のひとにサービスを提供する」ことが前提となっている点でしょう。

物理的な機器としての「サーバー」は、「コンピューター」です。
みなさんお使いの「PC(パソコン)」は「パーソナル・コンピューター」……つまり個人のためにあるものという前提ですが、サーバーはこの逆。
つまり「個人のためのもの”ではない”コンピューター」です。

これらの話から、改めて「そもそもサーバーってなんなの?」という疑問にお答えすると、

「多数のひとに、様々なサービスを提供するコンピューター」

ということになります。
そしてこのサーバーの種類のひとつが、

「ファイルサーバー」

です。

ファイルサーバーは「なにを」提供するサーバー?

では「ファイルサーバー」とは「なにを」提供するサーバーなのか?
誤解を恐れずに言うと、その名のとおり、あなたが仕事でお使いの文書、画像、動画などの「ファイル」です。

例えば社内の100人が同じファイルにアクセスし、閲覧・編集できる……そういう「みんなで使えるデータ領域」がファイルサーバーです。

「ん? それって……NASと同じじゃない?」

と思われた方、そのとおり。
それこそが冒頭で申し上げた「同じと言えば同じ」部分です。

「複数のひとがネットワークを介して共用できるデータ領域」という点は、ファイルサーバーもNASも変わりません。
と言うより、「NASはファイルサーバーの1種」と言ったほうが正確です。

「サーバーをファイルサーバーとして用いる」
「NASをファイルサーバーとして用いる」

どちらも成立する表現だと思います。より詳しく言うならこうなるでしょう。

「(機器としての)サーバーを、ファイルサーバー(という使い方)として用いる」
「(機器としての)NASを、ファイルサーバー(という使い方)として用いる」

要するに「ファイルサーバー」というのは、用途が強調された言葉です。
物理的な機器として「サーバー」と「NAS」は区別されますが、用途としてはどちらもファイルサーバーとして使えます。
だから冒頭で「同じと言えば同じで、違うと言えば違います」と答えました。

では、どうして「物理的な機器としては、サーバーとNASが区別される」のか?

私はそれを「成り立ち」の違いからご説明したいと思います。

サーバーとNASは「成り立ち」が違う

サーバーは上に書いたとおり「コンピューター」です。
これに対し、NASというのは”Network Attached Storage(ネットワークアタッチドストレージ)”という名が示すとおり「ストレージ」です。

当社の区分で言うと、ストレージに含まれる商品は「HDD(ハードディスク)」「SSD(エスエスディー)」「USBメモリ」等、要するに「データ記録媒体」です。

私たちがPC周辺機器メーカーとしてNASを作り始めたのは2000年代前半……「有線LAN接続HDD」として、でした。
これは、それまでUSBケーブルなどで接続するのが当たり前だったHDDというものを、”有線LANケーブル(ネットワークケーブル)で”接続できるようにした商品。

つまり「コンピューター」の流れではなく「PC周辺機器」の流れから、「みんなで使えるデータ領域」を提供し始めた、ということです。

「だからなに? 昔話なんてどうだっていいんだけど」

と思われたかもしれませんが、実はこの成り立ちを理解することが「サーバーとNASの違い」を理解する上で、とても重要だと私たちは考えています。

だから同じファイルサーバーでも

  • コンピューターの流れを汲む「サーバー」は大規模環境向け
  • 周辺機器の流れを汲む「NAS」は小規模環境向け

という違いが、今なお存在するのではと思うのです。

実のところNASも機器の内部構成(主要部品)は、「コンピューターと同じ」と言って差し支えありません。
それなのに「レンジが違う」だけでなく「名前が違う」のは、成り立ちが違うから……そんな風に捉えると、理解しやすいのではないでしょうか?

まとめ

以上の話からすると、NASというのは

「小規模環境向けのファイルサーバー」

と言えるでしょう。

ただし近年は当社NASのラインアップでも、上は「300人規模まで対応可能」な商品があり、必ずしも「小規模」だけのものではありません。
「NASのハイエンドモデル」と「ファイルサーバーのエントリーモデル」は、昔よりも近付いているのではないかと思います。

それでも、サーバーは「システムに組み込まれるもの」という性質が強く、「思い立ったらECで買ってすぐ導入」ということはほぼあり得ないでしょう。

逆に言うとNASは「思い立ったらECで買ってすぐ導入」が当たり前……ではないものの、やろうとすればできるものです。
当社もそのニーズにお応えすべく、多くのモデルで即納可能な在庫を持つようにしています。

ですから基本的には「大規模なシステムに組み込む」ことが前提なら本格的なファイルサーバー、「中小規模的な使い方」が前提ならNASをお選びいただく、というのが良い選択ではないかと思います。
NASに合う規模や用途でお使いいただく場合は、多額の投資をせず「これで十分」と感じていただけるでしょう。

ちなみに、その意味で「NASに合う用途」のひとつには、

「ファイルサーバーのバックアップ」

という用途があります。
ファイルサーバーには高級なサーバーをお使いの場合でも、そのデータをバックアップする先ならNASで十分、ということが珍しくありません。

これについては次回、以下の記事で詳しくお話ししますので、ご興味のある方はぜひ併せてご覧ください。

また、NASのラインアップを具体的に選びたい方には、以下をオススメします。
100型番以上ある機種の中から、「あなたに最適な1台」を選び出すための考え方をご説明し、チェックリストを掲載した記事です。

その他、「NASについての全般的なご相談」も広く受け付けております。
ここまで触れてきた内容の他、なにか導入の壁となるご懸念がございましたら、ぜひお気軽にお問合せください!

投稿者プロフィール

NAS(ナス)の「なっさん」
NAS(ナス)の「なっさん」
PC周辺機器メーカー アイ・オー・データ機器の直販ECサイト「アイオープラザ」店員。
"難しい"PC周辺を"だいたい本音"で語り、"お客様が技術的な知識を学習せずに選べる店"を目指しています!