こんにちは、PC周辺機器メーカー直販サイト「アイオープラザ」店員、NAS(ナス)の「なっさん」です!
今回は、
「PC(パソコン)の容量が足りない!」
という状況に陥ったあなたへ向け、
- 容量不足を解消する2つの方法
をお伝えします。
もちろん、具体的な方法を細かく区分すれば数限りなくありますが、”突き詰めると”このふたつしかないというお話しです。
後半では「具体的な方法」や商品までご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください!
※本コンテンツは主に法人向けの内容です。
PCの容量不足を解消する2つの方法
仕事でPCを使っていると、日々データが増えていきます。
メールで交わされる種々のファイル、自分で作成する分析データ、プレゼン資料……ひとによっては画像や動画を大量に扱う場合もあるでしょう。
数日なら大した量ではなくとも、数カ月、数年溜めていくと、PCに搭載されたストレージ(HDDやSSD)の容量が足りなくなって、新しいデータを保存できなくなってしまうことも。
そんな「容量不足」状態を解消する方法は、突き詰めると以下のふたつしかありません。
- 減らす
- 増やす
「は? 足りないって言ってるのに、”増やす”ってどういうこと?」
と思われたあなた。
どういうことか? 具体的な例をお出しします。
部屋に物が増えたときの解決法
例えば「あなたの部屋」を想像してください。
その部屋は、引っ越してきた当初は家具や家電も必要最低限以下で、色々買いそろえないと寂しい景観です。
しかし何年も暮らすうち、
- お気に入りのインテリア用品
- 読み終えた本
- プレゼントでもらった写真立てや置物
などがどんどん部屋のスペースを埋めていき、それらを整理するためにラックなどの家具を追加し……といったプロセスを経ると、
「最近、物が多過ぎて部屋が狭い!」
という事態に陥ってしまいます。
さて、あなたならこの問題をどうやって解決しますか?
この答えが「減らす」か「増やす」です。
適切な言葉を加えると、以下のようになります。
- (物を)減らす
- (部屋の広さや数を)増やす
つまり「減らす」なら「不用品を処分する」という方法が考えられますし、「増やす」なら「広い部屋や複数の部屋がある家に引っ越す」という方法が考えられます。
で、この物理的な部屋のケースだと、「減らす」解決方法が一般的ですよね?
昨今では「捨てる技術」や「整理術」が広く支持されています。
では、データの場合はどうでしょう? 同じように考えるべきでしょうか?
結論を先に述べると……私たちは
「減らさなくてもいいのでは?」
と考えています。
なぜか?
キーワードは「減らすコストと、増やすコストの比較」です。
減らすコストと、増やすコスト
一旦、部屋の例に戻りましょう。
物が増えすぎて部屋が狭くなった場合の解決策として、以下のふたつを挙げました。
- 減らす:不用品を処分する
- 増やす:広い部屋や複数の部屋がある家に引っ越す
なぜ「減らす」のが一般的なのか……考えるまでもなく「コスト」が違うからです。
引っ越しともなれば、場所にもよりますが数万円~数十万円の費用がかかります。また、今より広い部屋を借りれば、家賃が上がってしまう可能性が高いでしょう。
お金の話を抜きにしても、
- 条件に合う家を探す
- 物件を内見し、契約する
- 引っ越し業者に見積りを取る
- 荷物を段ボールに詰める
- 不用品を処分する
- 引っ越し後、荷物を開封して設置する
といったプロセスを踏むのがおそろしく大変であることは、誰にでもすぐ想像がつきます。
端的に言えば「引っ越しは相当めんどくさい」です。
これと比べれば「不用品を処分する」ほうが、遥かに金銭的コスト・労働コストが少なくて済むでしょう。
というか、上に書いた「引っ越しのプロセス」の中に、
- 不用品を処分する
がある時点で、この例では「増やす」に「減らす」が内包されています。
だから結婚や出産で家族が増えるなど、余程のことがない限り
「最近、物が多過ぎて部屋が狭い! 引っ越そう!」
となりにくいのは当たり前なのです。
しかし、データには同じ理屈が当てはまりません。
端的に言えば「増やしても、そんなにコストがかからない」からです。
どういうことか?
それをお話しする上で、データにおける、
- (ストレージに保存されたデータを)減らす方法
- (ストレージの容量を)増やす方法
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
保存されたデータを減らす方法
まずは「減らす」ほうからです。
保存されたデータを「減らす」とひと口に言っても、そう簡単なことではありません。
なぜなら、私たちは「全部捨てる」わけにはいかないからです。
これも物理的な部屋の片付けをイメージしてください。
部屋にあるものを片っ端からごみ袋に放り込むだけなら、まだ簡単ですよね。
そうではなく、
「これは要らない……これは要る、えーと……これは要る……かなあ……でも捨てるのもなあ……」
と、ひとつひとつ「分別」して「整理」するから大変なのです。
世にある片付け術というのは、だいたい「分別術」「整理術」と言っても過言ではないでしょう。
例えば世界的に有名な片付け術「こんまりメソッド」は、「ときめくかどうかで残すものを決める」という「分別」が基本的な考え方です。
ただ、仕事のデータを見て「ときめくかどうかで残すものを決める」と、だいぶえらいことになるというのは言うまでもありません。
なぜデータを「減らす」のは難しいのか?
データを「減らす」難しさは、まさにここにあります。
仕事の場合、「好き嫌い」ではなく、
- 今後も使うか?
- 役に立つかどうか?
といった「良し悪し」を基準にせざるを得ません。
「好き嫌い」が”主観”であるのに対し、「良し悪し」は”客観”です。
だから難しい。
「今の自分は要らないと思うけど、本当にそうかなあ?」
といった懸念が、どこまでいっても拭いきれません。
正解がない……だからデータの「分別」「整理」にはどうしても時間がかかりがちです。
そしてデータを「減らす」選択肢を取る場合、この”かかる時間”こそが最大のコストです。
データを「減らす」ことの生産性は?
ただしだからと言って、
「データを減らすのには〇〇時間くらいかかるから、人件費に換算すると……」
という話をするつもりはありません。
ここでそのコストを計算することに、意味があるとは思えないからです。
時間がかかるということは、シンプルに「他の仕事が犠牲になる」ということです。
言い換えるとこれは、
「日々、大事な業務に追われながら、”データの片付け”をやる暇があるのか?」
という問いになります。
妙な言い方に聞こえるかもしれませんが、データを「分別」して「整理」して「減らす」行為の生産性は高いでしょうか?
全く価値がないとまでは言わないものの、残念ながら”1円にもならない”でしょう。
私見で恐縮ですが、
「業務効率を上げるために、スキマ時間でデータを整理する」
といった能動的な理由で行うならまだしも、
「容量が足りなくなったから、なんとかデータを減らさなきゃ!」
といった受動的な理由で”やむを得ず”行う片付けは、「無駄」だと断言させていただきます。
そんなことをするくらいなら、ストレージの容量を「増やす」方法を取ったほうが、結果としてコストが安く済むのではないでしょうか?
ストレージの容量を増やす方法
というわけで次は「増やす」話です。
PCの容量が不足したとき、ストレージの容量を増やす方法は、4つあります。
- 内部ストレージを入れ替える
- 外部ストレージを増設する
- ファイルサーバーを導入する
- クラウドストレージサービスを導入する
それぞれについて、順番にお話ししましょう。
1.内部ストレージを入れ替える
まずはPCに内蔵されている、HDDやSSDなどの内部ストレージを交換する方法です。
例えば「256GBのSSDを1TBのSSDに換装する」といった形になります。
かかる費用も数万円程度で、最も基本的な対処法と言えなくもないですが、最近のPCはユーザーが交換できない仕様になっている機種もある点は注意が必要です。
また「交換」という性質上、今まで使っていた内部ストレージのデータを、交換先のストレージに移管するという手間が発生します。
やったことのない方にとっては、多少難易度が高めであることも事実でしょう。
2.外部ストレージを増設する
その意味で、外付けHDD/SSDなどの外部ストレージを増設するのは、より手軽な方法だと言えます。なにせ内部ストレージはそのままに、例えば外付けHDDをUSBケーブル1本で取り付ければ完了です。
20年以上前からある手段ですが、未だに「簡単さ」という意味では右に出るものがない方法ではないでしょうか。
価格も今や、内部ストレージとたいして変わりません。
しかし唯一難点があるとすれば、「物理的な機器を、PCに直接挿さねばならないこと」です。
PCをデスクに据え置いて使うだけなら問題になりませんが、方々に持ち運んで使う場合、外部ストレージごと持っていく必要があります。
3.ファイルサーバーを導入する
「いちいち持ち運ばなければならない」という問題を解決したい場合、NAS(ナス)などのファイルサーバーを使う方法が有効です。
NASは「みんなで使えるデータ領域」ですが、データ共有以外にも、今回のように「PCの容量を拡張する」という用途に使うことができます。
有線LANやWi-Fiなどを通じ、ネットワーク経由でアクセスできるため、外出先からでも使用可能。
費用はUSB HDDを買うよりは高いですが、1台のNASを、複数のPCのデータ拡張領域として使えるので、使う台数次第ではコストパフォーマンスに優れます。
NASについてもっと詳しく知りたいという方は、ぜひ以下の記事をご参照ください。
いまさら聞けない!「そもそもNASってなに? クラウドとの違いは?」
4.クラウドストレージサービスを導入する
解決方法としては上の3に近いですが、ファイルサーバーという「機器」ではなく、クラウドストレージという「サービス」を導入する方法もあります。
ファイルサーバー同様、ネットワークさえあればどこからでもアクセスできるので、非常に便利です。
ただしサービスである以上、買い切りではなく従量課金が原則です。
毎月継続的に料金が発生しますので、ファイルサーバーと比較し、長期運用した際のコスト感を確認することが重要です。
この比較についても、以下の記事で行っています。
いまさら聞けない!「そもそもNASってなに? クラウドとの違いは?」
ストレージの容量を増やす方法:まとめ
以上4つの「増やす」方法について、特性を整理すると以下のようになります。
残念ながら「これが絶対にいい!」という万能の方法はありませんが、逆の言い方をすると「解決のための選択肢が豊富」ということです。
良い点 | 悪い点 | |
---|---|---|
1.内部ストレージを入れ替える | ・費用は安め ・最もスタンダードな方法 | ・交換が面倒/できない機種あり ・データ移管の手間あり |
2.外部ストレージを増設する | ・費用は安め ・挿すだけなので簡単 | ・PCと一緒に持ち歩く必要あり |
3.ファイルサーバーを導入する | ・ネットワーク経由でどこからでもアクセス可能 ・複数のPCの拡張領域として使える | ・ネットワーク接続環境が必要 ・使うPCの台数が少ない場合、機器の導入費用は高め |
4.クラウドストレージサービスを導入する | ・ネットワーク経由でどこからでもアクセス可能 | ・ネットワーク接続環境が必要 ・月額費用がかかるため、ランニングコストは高くなりがち |
まとめ
というわけで今回は「容量不足を解消する2つの方法」についてお話ししました。
- (ストレージに保存されたデータを)減らす
- (ストレージの容量を)増やす
というふたつの手段に関し、「かかるコスト」という観点をご紹介し、私たちは「増やす」方法を強く推奨することとその理由をご説明しました。
そしてストレージの容量を増やす方法としては、おおまかに以下の4つが挙げられます。
- 内部ストレージを入れ替える
- 外部ストレージを増設する
- ファイルサーバーを導入する
- クラウドストレージサービスを導入する
どれも一長一短なので、ご都合の良いものをお選びいただければと思います。
ちなみに私たちの立場から申し上げると、
- とにかく手軽で簡単な方法がいい方は「外付けHDD/SSD」
- 複数台のPCの容量を増やしたい方は「NAS(ナス)」
という選択肢を推します。
ちなみにAについて、
「具体的には、どうやってHDD、SSDを選べばいいの?」
と思われた方は、ぜひ引き続き以下の記事をご覧ください。
PCの容量不足に効く、外付けHDD、SSDを選ぶ「3つの観点」とは?New!!
またBについて
「NASのことがよく解らないんだよね……」
「NASって難しそうなんだけど、自分でも導入できるのかな?」
といった疑問をお持ちの方は、ぜひ以下の記事をご参照ください。
いまさら聞けない!「そもそもNASってなに? クラウドとの違いは?」
これまで本メディアで最も力を入れてきたのは、まさにこの「NASというものを、誰にでも解るようにしたい」という想いからお話している内容です。
基礎知識から選び方、運用に必要な考え方など……様々な観点から”易しく”かつ”だいたい本音”で解説していますので、ご興味のある方は、試しにご覧いただけると嬉しいです。
その他、「ストレージについての全般的なご相談」も広く受け付けております。
ここまで触れてきた内容の他、なにか導入の壁となるご懸念がございましたら、ぜひお気軽にお問合せください!
投稿者プロフィール
-
PC周辺機器メーカー アイ・オー・データ機器の直販ECサイト「アイオープラザ」店員。
"難しい"PC周辺を"だいたい本音"で語り、"お客様が技術的な知識を学習せずに選べる店"を目指しています!
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