こんにちは、PC周辺機器メーカー直販サイト「アイオープラザ」店員、NAS(ナス)の「なっさん」です!
今回のテーマは、
- デュアルモニター(マルチモニター)
です。
要するに、
- 1台のPCに液晶モニターを2台つないで使う
という話ですが、
「それってなにがいいの?」
「たまに聞くけど、実際どうなの?」
「デュアルモニターに最適なモニターは何インチ?」
「環境を実現するためになにが必要?」
といった、デュアルモニターにまつわる疑問は多々発生しやすいもの。
そこで今回はメーカー直販店員の視点から、デュアルモニターについて一気に語っちゃいます。
今回も”だいたい本音”でお話ししますので、ぜひ最後までご覧ください!
※本記事は主に法人向けの内容です。
デュアルモニターってなに?
まずは簡単に、
- デュアルモニターとはなにか?
という話をさせてください。
要するに「2つのモニター」という意味で、冒頭に述べたとおり
- 1台のPCに液晶モニターを2台つないで使う
ことを指します。
わざわざこんな言葉があるということは「普通は2台じゃない」ということです。
考えるまでもなくノートPCの画面は通常ひとつですし、PCが一般に広く普及する前の時代から、
- PCのモニターは原則1台
というのが常識でした。デュアルモニター(マルチモニター)自体は90年代のWindowsでもサポートされていた機能ですが、常時2台のモニターをPCにつないで使うのは、当時かなりのヘビーユーザーだったと考えられます。
その背景には、
- そもそもモニターが高額で、2台使うなんて現実的じゃない
- 2画面を使って2つの作業を同時に行えるほど、PCのスペックが高くない
といった事情があったと考えるのが自然です。
そもそもPCを日常的に使うユーザーも今ほど多くなかったでしょうから、世の中全体として、2画面を使いこなすような必然性もなかったのだと思います。
その後、液晶モニターの低価格化やPCのスペック向上によって、経済的にも技術的にも現実性を帯びたあたりから、デュアルモニターという使い方の選択肢は、徐々に一般化していきました。
ただし、だとしても液晶モニターを2台使うためには、その分のコストがかかるのも事実です。
当然、2台使うメリットがあるということですが、それは一体なんでしょう?
デュアルモニターにメリットなんかない?
というわけでメリットの話をしたいと思いますが、その前にひとつ。
デュアルモニターという言葉が一般化していった時期、時折言われていたことがあります。
「デュアルモニターにメリットなんかない。液晶モニターメーカーのこじつけだ」
どういうことかというと……当時(2000年代)はちょうど、デスクトップPCに代わってノートPCが主流になっていった時代です。
デスクトップPCの場合は、PCとは別に液晶モニターを用意する必要がありますが、言うまでもなくノートPCの場合は液晶モニターが一体化しています。
だから液晶モニターメーカーからすると、
「商品が売れなくなる」
という事情があるから、それを回避するための”こじつけ”として、
- ノートPCにも外付けモニターを接続しよう!
- デスクトップPCには、2台のモニターを接続しよう!
といったデュアルモニターのプロモーションを行っているのでは?
……とまあ、こんな風に言われていたわけです。
「実際どうなの?」
と尋ねられれば……あくまで私見ですが、そういう背景があったことは事実だというのが本音です。
市場環境的には、上で書いたとおりの状況でした。
ただし”こじつけ”ではなかったと断言できます。
だいいち、いくらメーカーがこじつけたところで、実際には便利じゃないのに、
- 数万円の費用を払ってデュアルモニター環境を実現する
なんて奇特な人々が現れ続けるはずがありません。それは過去、様々な電子機器商品の歴史が証明しています(ちょっと、具体名を挙げる勇気はありませんが……)。
だから、今なおデュアルモニターという使い方が一定の支持を得続けていることこそが、
- デュアルモニターにはメリットがある
ということの、なによりの証明だと言えるでしょう。
ではそのメリットとはなんなのか?
デュアルモニターの3つのメリット
デュアルモニターのメリットを端的に表すと、以下の3つが挙げられます。
- 2つの情報を同時に表示できる
- ひとつの情報を広く表示する
- 同じ情報を表示する
それぞれご説明させてください。
1.2つの情報を同時に表示できる
最もポピュラーなメリットは「2つの情報を同時に表示できる」ことでしょう。
「それってなにがいいの?」
効率がいい、と言えます。
具体的には、デュアルモニターにすることで、
- 左でWebページを参照し、右で参照結果を整理する
- 左右に異なるExcelデータを開いて比較する
- 左で文書作成をし、右でチャットツールの対応をする
といったことが可能になります。
もう少し抽象化すると、
- モニター1:参照、モニター2:作業
- モニター1、2:比較
- モニター1:作業A、モニター2:作業B
という感じで、一口に「2つの情報を同時に表示できる」と言っても、色々な使い方ができます。
もしモニターが1台しかない環境の場合、これらの作業を、
- いちいちウィンドウを切り替えて行う
ことになります。
「え、それだけ?」
と思うかもしれませんが、例えば1時間作業を行う中で、10回、20回と画面の切り替え操作を行わなければならない場合、塵も積もれば山となるという感じで、業務効率が極端に下がるでしょう。
これは、
- 時間の問題
という以上に
- 集中力の問題
だと考えます。
同じ作業でも、集中すれば30分で終わる仕事が、集中力が散漫な状態だと2時間経っても終わらない……といったことはないでしょうか?
このように、PCを使って行う仕事は、
- 集中状態をいかに保つか
が命と言っても過言ではないと考えます。
実際、例えば私たちは大半の社員がデュアルモニター環境(多いひとはトリプルモニター環境)で仕事を行っていますが、誰に聞いても
「シングルモニター環境に戻るなんて、考えられない」
という意見です。
どういう職種の方であれ、デュアルモニターの恩恵があることを、私たちは身を以て実感しています。
2.ひとつの情報を広く表示する
デュアルモニターのメリットのふたつ目は「ひとつの情報を広く表示する」です。
このメリットでイメージしやすいのは仕事というより、
- 3Dゲームをやる際、表示範囲を広くできる
といった用途だと思います。
とは言え、仕事でも例えば、
- 横に長いExcelデータを、左右にスライドさせず表示し切る
といった使い方では活躍するでしょう。
設計データなどを拡大したり、縮小したりして使う場合も、表示範囲が広いほうが有利な場合があると考えられます。
3.同じ情報を表示する
2台のモニターに「同じ情報を表示する」というのも、メリットのひとつに数えられます。
とは言えこの場合は、
- 1台は自分が見る画面、もう1台は誰かが見る画面
という形で、他とは使い方自体が大きく異なります。
具体的には、例えば、
- 受付業務の際、顧客に画面を見せながら説明する
- プレゼンテーションを行う際、相手に画面を見せて説明する
といったケースです。
この場合も、1の「2つの情報を同時に表示できる」同様、メリットは効率化になります。
1画面しかなければ、
- 自分が見て操作⇒相手に見せる
という手順で都度切り替えを行わねばなりませんが、2画面あれば常時「自分用のモニター」「相手用のモニター」という形で表示ができるため、集中が途切れず作業を進められるというわけです。
以上、デュアルモニターの一般的な3つのメリットを挙げさせていただきました。
では、実際デュアルモニターにする際、
「モニターの選択肢っていっぱいあるけど、どれがいいの?」
と思ったらどう選べばいいのでしょう?
次は、それをお話しします。
デュアルモニターに最適なモニターのサイズと選び方
「デュアルモニターに最適なモニターのサイズは?」
と聞かれたら、私は自信を持ってこう答えます。
「ケースバイケースです!」
すいません、怒らないでください。
もう少しちゃんとご説明します。
デュアルモニターにしようと思ったら、少なくともふたつのハードルを越えねばなりません。
それは、
- 設置スペースのハードル
- 金銭的なハードル
です。
それらの障壁がないなら、
「個人的なオススメはWQHD解像度の31.5インチを2台、です!」
とお答えしますが、お値段は当店通常価格で合計10万円近くします。
また、画面の幅も約73cmありますから、2台横に並べると146cm……顔の位置に合わせて多少画面の角度を傾けて設置したとしても、すんなり収まるデスクをお持ちの方は、そうそういないでしょう。
↓WQHD解像度、31.5インチの液晶モニターを見てみる↓
HDMI接続 WQHD対応 31.5インチ液晶モニター LCD-MQ322XDB-A
なお、
「最も安価な選択肢は?」
と尋ねられたら、
「フルHD解像度の21.5インチを2台ですかねー」
とお答えします。
この場合の費用は2台で4万円以下、横幅も1台50cm以下です。
片方あるいは両方のモニターを斜めに傾ければ、幅90cmのデスクでも設置可能でしょう。
↓フルHD解像度、21.5インチの液晶モニターを見てみる↓
HDMI接続 21.5インチ液晶モニター LCD-D222SD
というわけで、
「ケースバイケースです!」
というのを言い換えると、
「設置スペースとご予算次第です!」
ということになります。
あくまで目安ですが、設置スペースについては以下にモニターの幅に関する参考値を載せておきます。デスク上で使うメインサイズとしてはこの4サイズが主でしょうから、ぜひご参照ください。
※なお「設置するデスクの幅」は、左右130°程度の角度を付けて液晶モニターを設置することを想定して記載しています。
- 21.5インチ:幅約50cm ⇒設置するデスクの幅:90cm~
- 23.8インチ:幅約54cm ⇒設置するデスクの幅:100cm~
- 27インチ:幅約61cm ⇒設置するデスクの幅:120cm~
- 31.5インチ:幅約73cm ⇒設置するデスクの幅:140cm~
あとは予算が許す限り、
- 大きいサイズ
- 高解像度
であればあるほど、作業効率は上がると思います。
以下の記事では液晶モニターの選び方を詳しくご説明していますので、迷った方はぜひご参照いただけると幸いです。
サイズ、解像度、接続ケーブル-液晶モニターの選び方①
なお、コストバランスがいいモデルとしてオススメできるのは「フルHD解像度」の「23.8インチ」です。
もし「どれが最適か選べない!」という方は、ひとつの選択肢としてください。
↓フルHD解像度、23.8インチの液晶モニターを見てみる↓
HDMI接続 23.8インチ液晶モニター LCD-D242SA
デュアルモニター環境を実現するための3つの観点
というわけで、デュアルモニターについてのご説明は以上です……と言いたいところですが、最後にもうひとつ大事なことをお話しさせてください。
以下の観点を知らずに環境を整えようとすると、もったいなかったり、思わぬ失敗をしてしまったりするかもしれません。
それは、以下の3つです。
- PCの、モニター出力端子の数を確認する
- モニターアームの使用を検討する
- 片方のモニターを縦に使用することを検討する
簡単にご説明しましょう。
A.PCの、モニター出力端子の数を確認する
根本的な話ですが、そもそもPCにHDMIなどの「映像出力端子」がなければ、デュアルモニター環境は実現できません。
デスクトップPCでもノートPCでも、2台のモニターを接続するなら、映像出力端子も2つ必要です。
ですが、例えば通常のノートPCには、ひとつの映像出力端子しかありません(大抵はHDMIだと思います)。これだとつなげるモニターは1台です。
ではどうすれば2台のモニターに映像を出力できるようになるのか……その答えは、
- グラフィックアダプターを使う
ということになります。
最近では「変換アダプター」といった呼び方もしますが、要するに
- USBをHDMI(等)の映像出力端子に変換する機器
です。具体的な商品画像の一例をお見せしましょう。

こちらはUSB Type-CをHDMIに変換するアダプターですが、こういう商品を用いることで、PCと液晶モニターの接続台数を増やすことができます。
↓USB Type-CをHDMIに変換するアダプターを見てみる↓
Type-C HDMI変換アダプター(PD充電 対応) GOPPA GP-CHDH/B
また、中には映像出力だけでなく、
- USB端子を増やす(USBハブ機能)
- オーディオ端子(ヘッドホン/マイク)端子を増やす
- 有線LANポートを増やす
といった機能を兼ねる「ドッキングステーション(マルチドッキング)」という商品もあります。
例えば以下の商品は、上に挙げた端子を増やしつつ、2台の液晶モニターへの映像出力に対応しています。
機能が充実している分、単純な変換アダプターより価格は上がりますが、手軽にPCの端子を拡張できますので、よろしければひとつの選択肢としてご参照ください。
↓映像出力端子等、豊富な端子増設が可能なドッキングステーションを見てみる↓
USB Power Delivery対応 ドッキングステーション US3C-DS1/PD-A
B.モニターアームの使用を検討する
デュアルモニター環境を実現する際、オススメしたいのが「モニターアーム」の使用です。
その理由としては、
- デスク上のスペースを有効活用できる
- いつでもちょっとした角度調節を手軽にできる
という2点を挙げさせていただきます。
特に前者は、2台のモニターを普通に設置するとデスクが狭くなりますので、モニターアームの有無によって、実際に使えるスペースの広さはもちろん、見た目の圧迫感が大分変わると思います。
↓液晶モニターを2台取り付け可能な、デュアルモニターアームを見てみる↓
17~27インチ対応デュアルモニターアーム GOPPA GP-DPAS2
なお、モニターアームについては以下の記事で詳しくご紹介していますので、ご興味のある方はぜひご参照ください。
モニターアームの「実は万人にオススメできる」3つの価値とは?
C.片方のモニターを縦に使用することを検討する
せっかく2台使うなら……というわけではありませんが、「1台を縦にして使う」のもオススメです。
なぜなら、PCで表示するデータの中には、明らかに縦のほうが多くの情報量を表示できるものがあるからです。
具体的には、
- Webサイト
- 文章
などが該当します。
スマートフォンを想像していただければと思いますが、本来Webサイトは縦表示のほうが適しています。
もちろんExcelデータなど、横表示のほうが相応しいものも多いため、
- 1台を横表示
- 1台を縦表示
で使うというのが、バランスのいい運用だという考え方もあります。
「どちらも横のほうがいい」という方もいらっしゃるため、この辺りはよく表示するデータの内容次第ではありますが、そういう選択肢もあるということです。
なお、液晶モニターに付属する台座を使うと、普通は横長の設置になります。
ですから縦表示で使うためには、
- モニターアームを用いる
- 縦設置できる台座を搭載した液晶モニターを選ぶ
といういずれかの方法を選ぶ必要があります。
このあたりのお話しについても、先ほどの記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
モニターアームの「実は万人にオススメできる」3つの価値とは?
まとめ
というわけで、今回はデュアルモニターについてお話ししました。
そのメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
- 2つの情報を同時に表示できる
- ひとつの情報を広く表示する
- 同じ情報を表示する
このうち最もポピュラーなメリットは1で、仕事の効率化に有効です。
頻繁な画面の切り替えをしなくて済むので、時間的な短縮以上に集中が途切れないといった効果を期待できるでしょう。
「デュアルモニターにオススメの液晶モニターは?」
という疑問に対しては、
「設置スペースとご予算次第です!」
というのが答えになりますが、スペースについては以下のように、液晶モニターのサイズとデスクの幅の目安をご紹介しました。
- 21.5インチ:幅約50cm ⇒設置するデスクの幅:90cm~
- 23.8インチ:幅約54cm ⇒設置するデスクの幅:100cm~
- 27インチ:幅約61cm ⇒設置するデスクの幅:120cm~
- 31.5インチ:幅約73cm ⇒設置するデスクの幅:140cm~
設置スペースと予算が許す中で、なるべく
- 大きいサイズ
- 高解像度
の商品をお選びいただくことをオススメします。
液晶モニターの選び方については、以下の記事で詳しくご説明していますのでご参照ください。
サイズ、解像度、接続ケーブル-液晶モニターの選び方①
ちなみに、最もコストバランスがいいモデルとしては「フルHD解像度」の「23.8インチ」を挙げます。
「どれが最適か選べない!」という方は、ひとつの選択肢としてください。
↓フルHD解像度、23.8インチの液晶モニターを見てみる↓
HDMI接続 23.8インチ液晶モニター LCD-D242SA
他、デュアルモニター環境を実現するための3つの観点についてもご紹介しました。
- PCの、モニター出力端子の数を確認する
- モニターアームの使用を検討する
- 片方のモニターを縦に使用することを検討する
Aは、もしPCに出力端子が足りない場合は、
- グラフィックアダプター(変換アダプター)
- ドッキングステーション
など、映像出力端子を増やせる機器の採用をご検討ください。
↓USB Type-CをHDMIに変換するアダプターを見てみる↓
Type-C HDMI変換アダプター(PD充電 対応) GOPPA GP-CHDH/B
↓映像出力端子等、豊富な端子増設が可能なドッキングステーションを見てみる↓
USB Power Delivery対応 ドッキングステーション US3C-DS1/PD-A
BやCについては、モニターアームを採用することで、
- デスク上のスペースを有効活用できる
- いつでもちょっとした角度調節を手軽にできる
- モニターを縦長に使える
というメリットがあります。
2台のモニターをデスクにそのまま置くと、結構な存在感になりますので、私たちとしてはデュアルモニターにするならモニターアームを強くオススメしたいところです。
↓液晶モニターを2台取り付け可能な、デュアルモニターアームを見てみる↓
17~27インチ対応デュアルモニターアーム GOPPA GP-DPAS2
モニターアームの「実は万人にオススメできる」3つの価値とは?
その他、「液晶モニターについての全般的なご相談」も広く受け付けております。ここまで触れてきた内容の他、なにか導入の壁となるご懸念がございましたら、ぜひお気軽にお問合せください!
投稿者プロフィール

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PC周辺機器メーカー アイ・オー・データ機器の直販ECサイト「アイオープラザ」店員。
"難しい"PC周辺を"だいたい本音"で語り、"お客様が技術的な知識を学習せずに選べる店"を目指しています!
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