「ファイルサーバーのバックアップ」先としてのNASを選ぶ、3つのコツとは?

こんにちは、PC周辺機器メーカー直販サイト「アイオープラザ」店員、NAS(ナス)の「なっさん」です!

これまで2回にわたって「ファイルサーバーのバックアップ」というテーマでNASについてお話ししてきました。
1回目の記事では「ファイルサーバーとNASってどう違うの?」「そもそもサーバーってなんなの?」という疑問にお答えし、前回の記事では「NASをファイルサーバーのバックアップに使うメリット」についてお話ししました。

今回はその完結編として、

  • NASをファイルサーバーのバックアップに使う際の、選び方のコツ

についてお話しします。

今回も“だいたい本音”でお話ししますので、ぜひ最後までご覧ください!

ちなみに「NASってなに?」という方はまずこちらからどうぞ。

※本コンテンツは法人向けです。

ファイルサーバーのバックアップに使うNASを、選ぶコツ

ファイルサーバーのバックアップに使うNASを選ぶコツは、結論から言えば以下の3つです。

  • うまい
  • はやい
  • やすい

「は? なにか丼的なものと間違えてない?」

と思われたかもしれませんが、割と本気です。
もう少し詳しく書くと、こうなります。

  • うまい(≒質が高い)⇒高信頼性で壊れにくい
  • はやい⇒転送速度が速い
  • やすい⇒ユーザーインターフェイス(操作画面)が使いやすい

この3つの観点について、選ぶ機種が”適切ではなかった”場合、どういう問題が起きるのか?
端的に言うと以下のとおりです。

  • うまい(≒質が高い)⇒高信頼性で壊れにくい⇒すぐ壊れる
  • はやい⇒転送速度が速い⇒遅くてバックアップがいつまでも終わらない
  • やすい⇒ユーザーインターフェイス(操作画面)が使いやすい⇒使いにくくてバックアップの設定が完了しない

それぞれもう少し詳しく見ていきましょう。

うまい(≒質が高い)⇒高信頼性で壊れにくい

言うまでもなく、バックアップデータを保存したNASが「すぐ壊れる」ようでは話になりません。
十分な故障対策が施された機種をお選びいただくべきです。

「それって具体的には、どういうNAS?」

という疑問について、詳しくはぜひこちらの記事をご覧ください。
ひと言だけ申し上げると……当社NASの場合「法人向けモデル」をお選びいただくことが必須だと考えます。

はやい⇒転送速度が速い

バックアップをする際、意外と(?)重要なのがこの「速度」です。
データの容量が多い場合、ひと晩経っても終わらないことが珍しくありません。

バックアップを取っている間、ファイルサーバーには負荷がかかります。
だからバックアップの実施は、業務時間中を避けるのが一般的です。

しかしバックアップの速度が遅いせいで、夜間や休日で終わらない場合……業務に支障をきたしてしまう。だから極力「転送速度が速い」NASを選ぶべきなのです。

具体的には、ざっくり言うと、

  • ハイエンドモデルほど速い≒同時接続人数が多い機種ほど速い

とお考えいただいて差し支えないでしょう。

特に、速さという観点ではLinux OS搭載モデルより、Windows OS搭載モデルのほうが優れています。相対的に搭載部品(CPUなど)がハイスペックです。

またもうひとつ、「ネットワーク環境」もNASの転送速度に大きな影響を与えます。
NASは有線LANケーブルでハブ等のネットワーク機器に接続しますが、このときの”規格”が重要です。

例えば、

  • 10GBASE-T
  • 5GBASE-T
  • 2.5GBASE-T
  • 1000BASE-T

といった表記を見たことがないでしょうか? これが有線LANの規格となります。
ちなみに2024年9月現在、一般的なノートPC等に搭載されている有線LANの規格は「1000BASE-T」です。

1秒あたりの最大転送速度は、それぞれ以下のようになります。

  • 10GBASE-T⇒10Gbps
  • 5GBASE-T⇒5Gbps
  • 2.5GBASE-T⇒2.5Gbps
  • 1000BASE-T⇒1Gbps(1000Mbps)

これは「理論値上の最大転送速度」で、実際には機器のスペックやインターネット回線の速度など、多くの周辺要素によって実効速度(実際に出る速度)は変わります。
逆に言えば、この「ネットワークの速度」が遅いと、NASが持つポテンシャルを十分に引き出せないおそれがある、ということです。

当社法人向けNASの場合、「1000BASE-T」より上位の規格に対応しています。
ただしNASが対応していても、接続するハブ等のネットワーク機器やケーブルが同じ規格に対応していなければ、その速度では通信できません。
だからネットワーク環境全体の対応規格を揃える必要があります。

ただし現状ではまだ、10GBASE-Tに対応したネットワーク機器は比較的高額ですので、
この点は「コストとスペックのバランス」を考慮して決めるのが良いでしょう。

やすい⇒ユーザーインターフェイス(操作画面)が使いやすい

結論としては、

「Windows OS搭載NASがオススメ」

という話になりますが、それがなぜかを語る上で「ファイルサーバーに搭載されたOS」についてお話しします。

世の中にある”本格的なサーバー”の半数以上が、Windows OS搭載品だと言われています。
だからあなたがバックアップを取ろうとしているファイルサーバーは、Windows OS搭載品である可能性が高い……その前提で考えると「Windows OS搭載NASがオススメ」という結論になるのです。

なぜなら、ユーザーインターフェイスが共通だから。
使い慣れた操作画面のほうが、設定も非常にやりやすいというメリットがあります。

まとめ

というわけで、今回は

  • NASをファイルサーバーのバックアップに使う際の、選び方のコツ

についてお話ししました。
まとめると、NASをファイルサーバーのバックアップに使う場合の「選び方のコツ」は、

  • うまい(≒質が高い)⇒高信頼性で壊れにくい
  • はやい⇒転送速度が速い
  • やすい⇒ユーザーインターフェイス(操作画面)が使いやすい

の3つです。

そして結論としては概ね「Windows OS搭載モデル、かつなるべくハイエンド品」がオススメ、ということになります。
ただしオフィスのネットワーク環境や予算を考慮の上、ご判断いただけると幸いです。

また、「どの機種を選べばいいのか?」という点をさらに深掘りしたい方は、ぜひ以下の記事も併せてご覧ください。
こちらは主に「NAS自体をファイルサーバーとして使う場合」の観点ですが、”購入機種を最後の1型番まで絞り込む”という意味では、ご活用いただけるものと考えます。

その他、「NASについての全般的なご相談」も広く受け付けております。
ここまで触れてきた内容の他、なにか導入の壁となるご懸念がございましたら、ぜひお気軽にお問合せください!

投稿者プロフィール

NAS(ナス)の「なっさん」
NAS(ナス)の「なっさん」
PC周辺機器メーカー アイ・オー・データ機器の直販ECサイト「アイオープラザ」店員。
"難しい"PC周辺を"だいたい本音"で語り、"お客様が技術的な知識を学習せずに選べる店"を目指しています!